結論から申し上げますと、「可能性はゼロではありませんが、昼間のハードコンタクトレンズよりはリスクが低い」と言われています。
一般的に、ハードコンタクトレンズを何十年も使い続けている人に見られる「ハードコンタクトレンズ性眼瞼下垂(まぶたが下がってくる症状)」は有名ですが、オルソケラトロジーの場合は状況が少し異なります。
その理由と、「ならないための予防策」を解説します。
1. なぜコンタクトでまぶたが下がるのか?
コンタクトレンズが原因で眼瞼下垂になる主な理由は、以下の2つの物理的な刺激で、まぶたを持ち上げる筋肉(腱)が伸びてしまうからです。
- 瞬きの摩擦: レンズの厚みが、瞬きのたびにまぶたの裏側を擦り続ける。
- 着脱時の引っ張り: レンズを外す時に、まぶたを横に強く引っ張って押し出す動作。
2. オルソケラトロジーのリスクが「低い」理由
オルソケラトロジーには、上記のリスク要因のうち「1」がほとんどありません。
- 瞬きをしない: 寝ている間につけるため、装着中に瞬きをしません。そのため、まぶたへの摩擦刺激は昼間のレンズに比べて圧倒的に少ないです。
- 重力の影響: 仰向けで寝ているため、レンズがまぶたの縁に乗りかかって重みをかけることもありません。
この点において、昼間のハードレンズを何十年も使うよりは、まぶたへの負担は軽いと考えられています。
3. 注意すべきは「レンズの外し方」です
オルソケラトロジーで眼瞼下垂になるリスクがあるとしたら、最大の原因は「毎朝のレンズの外し方」にあります。
昔ながらのハードレンズの外し方(目尻を指で強く引っ張って、「パチッ」とレンズを飛ばして外す方法)を毎日続けていると、まぶたの皮膚や筋肉が伸びてしまい、眼瞼下垂のリスクが高まります。
【重要】予防策:スポイトを使うこと
眼瞼下垂を防ぐために、オルソケラトロジーでは「スポイト(吸盤)」を使って外すことが強く推奨されています。
- スポイト外し: まぶたを引っ張ることなく、レンズに吸盤をくっつけて引き上げるだけなので、まぶたへの負担はほぼゼロです。
- 多くの眼科で、オルソケラトロジーのセットに最初からスポイトが含まれています。
まとめ
- リスク: 昼間のハードレンズよりは低いですが、全くないわけではありません。
- 原因: 寝ている間ではなく、**「朝、外す時の動作」**が主な原因になります。
- 対策: 指でまぶたを引っ張って外すのではなく、必ず「スポイト」を使って外すようにすれば、心配する必要はほとんどありません。
