視能訓練士(Orthoptist/略称:ORT))は、目の検査やトレーニングの専門家です。
当院では、多くの視能訓練士が在籍し、患者さまの視機能の検査・訓練・指導を専門的に担当しています。
視能訓練士は、国家資格を持つ医療専門職であり、目に関する高度な知識と技術を備えたスタッフで、赤ちゃんから高齢の方まで、すべての年代の「見える力」を支える医療スタッフとして、眼科医と連携しながら目の健康を守っています。
目の検査と視機能リハビリのプロフェッショナル
1. 視能検査(しのうけんさ)
眼科で行う多くの検査を担当し、正確で迅速なデータ提供で医師の診察をサポートします。
目の病気の発見や、手術前の眼内レンズ選定、眼鏡やコンタクトレンズの処方などに必要な、さまざまな検査を行います。
主な検査:
- 視力・眼圧・眼位・眼球運動などの検査
- 近視・遠視・乱視・斜視・弱視、視野などの精密測定
- 角膜の形状検査や網膜の断層画像(OCT)などの精密検査
- 超音波や電気を使った特殊な検査
2. 視能矯正(しのうきょうせい)
弱視や斜視(目の位置のずれ)などに対するトレーニングを行います。
視覚の発達は幼い時期にしかできないため、特に小さなお子さんの視力の異常を早く見つけ、トレーニングによって正常な見え方を育てることが大切です。
主な内容:
- 小児の弱視や斜視の視能訓練・経過管理
- 両目を上手に使う力(両眼視機能)のチェック
- 目の動きや位置の検査
- 高齢者や小児、障がいのある方への丁寧なサポート
3. 健診(けんしん)業務
子どもや大人の健診にも参加し、目の異常を早く見つけます。
地域の健康診断や学校健診などに協力し、目のトラブルの早期発見に努めています。
主な活動:
- 3歳児健診
- 就学前健診
- 学校健康診断の結果の検証
- 色覚検査(男性の20人に1人、女性の500人に1人が色覚異常)
- 成人の生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)予防健診など
4. ロービジョンケア
見えにくくなった方の「生活の工夫」を一緒に考えます。
病気やケガで視力が下がった方に対して、「どうすれば少しでも見やすくなるか」を考え、生活や仕事が続けられるように支援します。
主な内容:
- 拡大鏡や遮光眼鏡などの補助具の選定
- 日常生活や学業・仕事の工夫のアドバイス
- 視覚リハビリ施設などとの連携
視能訓練士は、目の健康を守るために専門的な技術と知識を持った医療職です。
皆さまが安心して毎日を送れるよう、目のサポートを全力で行っています。
視能訓練士になるには?(国家資格です)
視能訓練士になるためには、以下の過程が必要です。
- 視能訓練士養成課程のある大学・短大・専門学校に入学(3〜4年)
例)医療系大学、リハビリ・医療専門学校など - 眼科医学・解剖・視機能検査・小児視力・リハビリなど専門的な教育を受ける
- 卒業時に国家試験の受験資格を取得
- 視能訓練士国家試験に合格すると、厚生労働大臣から資格が付与されます
資格取得後も、常に最新の医療知識・技術を学び続けながら、現場での経験を積んでいきます。
視能訓練士が活躍する場面
- 小児の視力検査や弱視・斜視の経過観察
- 手術前後の視機能評価(白内障・緑内障など)
- コンタクトレンズ・眼鏡の処方に関するデータ収集
- 高齢者の眼疾患スクリーニング
- ドライアイ・眼精疲労の検査と対応 など
患者さまにとっては「検査してくれる人」という印象が強いかもしれませんが、
その検査には高度な専門知識と正確性が必要であり、眼科医の診断を支える大切な役割を担っています。眼科診療の充実のために視能訓練士の活躍が欠かせません。
最後に
当院では、経験豊富な視能訓練士が在籍し、お子さまからご高齢の方まで、一人ひとりに合った検査・ケアを提供しています。
「最近、見え方が気になる」
「学校の視力検査でひっかかった」
「お子さまの目線や視力に違和感がある」
そんなときは、ぜひお気軽にご相談ください。
視能訓練士が丁寧に対応いたします。