網膜光凝固術(レーザー光凝固術)

進行予防としての網膜光凝固術(レーザー光凝固術)

網膜へのレーザー光凝固によって、病的な組織を凝固させ、病気の進行を抑制する治療法です。
波長を変更することで、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜裂孔など、さまざまな疾患において効果が期待できます。ただし、視力の改善は期待できません。あくまで、病気の進行を抑え、視力を維持するということを目的として行われます。
網膜に対する網膜光凝固術(レーザー光凝固術)は、保険診療となります。どうぞ安心してご相談ください。

網膜光凝固術(レーザー光凝固術)の適応疾患は?

網膜光凝固術(レーザー光凝固術)の主な適応疾患は、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜裂孔、中心性漿液性網脈絡膜症、網膜細動脈瘤、加齢黄斑変性などです。

糖尿病網膜症

糖尿病の三大合併症のうちの1つです。網膜の毛細血管が詰まったり破れるなどして、視力の低下を引き起こします。最悪の場合には、失明に至ることもあります。

網膜静脈閉塞症

動脈硬化によって、網膜静脈が詰まってしまう病気です。動脈硬化の主な原因は生活習慣病ですが、中でも高血圧の方に起こりやすい病気です。視力低下、視野の欠けなどの症状を伴います。

網膜裂孔

加齢に伴う後部硝子体剥離、強度近視、事故などを原因として、網膜が裂けたり孔(穴)が空いたりする病気です。飛蚊症や視力低下、視野の歪みなどの症状を伴います。

中心性漿液性網脈絡膜症

黄斑に水が溜まり、視力低下、視野の歪み、視野の中心部の暗さなどの症状を引き起こす病気です。はっきりとした原因は分かっていませんが、ストレスが関与していると言われています。

網膜細動脈瘤

加齢などを原因として動脈硬化が進むと、網膜動脈も弾力が失われます。そこに高血圧などの要因が加わることで、動脈瘤が生じます。網膜前出血や網膜下出血、網膜浮腫などが生じ、視力低下を招きます。

加齢黄斑変性

加齢に伴う黄斑部の機能低下によって、老廃物が沈着し、視野の歪み、視力低下を引き起こす病気です。

その他

円板状黄斑変性症、網膜中心静脈閉鎖症による黄斑浮腫、類囊胞黄斑浮腫、未熟児網膜症などもレーザー光凝固術の適応疾患となります。

網膜光凝固術(レーザー光凝固術)の費用の目安

1割負担 (通常のもの)約10,000円 (その他特殊なもの)
約16,000円
2割負担 (通常のもの)約20,000円 (その他特殊なもの)
約32,000円
3割負担 (通常のもの)約30,000円 (その他特殊なもの)
約48,000円

網膜光凝固術(レーザー光凝固術)Q&A

治療にはどれくらいの時間が
かかりますか?

照射そのものは、5~10分ほどで終わります。ただし、薬を使って瞳孔を開く時間が必要であるため、照射前後の時間をあわせると2時間程度が必要になります。

痛みはありますか?

個人差があり、一概には言えません。
全く痛みのない方もおられますし、痛みを感じられる方もおられます。

レーザーの照射後、視力は
向上しますか?

あくまで病気の進行を抑えるための治療ですので、照射後に視力が良くなるといった効果は期待できません。

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