結膜の病気

結膜の構造と役割

結膜の構造と役割まぶたの裏側から、眼球の白目と黒目の境界までを覆う膜を「結膜」と言います。
結膜は、外からの刺激から眼球を保護する役割を担っています。

結膜の病気

眼科を受診される方の疾患でもっとも多いのが、結膜の病気です。
結膜の病気には、結膜炎、結膜下出血、結膜弛緩症、翼状片などがあります。

結膜弛緩症

結膜弛緩症結膜が緩み、シワのようになってしまう病気です。
涙が溜まりにくくなるため、ドライアイと似た症状を伴うこともあります。

原因

はっきりとした原因は解明されていません。
ただし、高齢になるほど発症しやすいことが分かっています。

症状

  • ゴロゴロとした異物感
  • 目がしょぼしょぼする
  • 涙が出る
  • 目の乾燥

治療法

眼球を保護したり炎症を抑えたりする点眼薬を使用します。
これらの治療で改善が見られない場合には、シワを除去する手術が必要になります。

結膜弛緩症の費用

1割負担 約2,500円
2割負担 約5,000円
3割負担 約7,500円

翼状片

翼状片結膜(白目)が角膜(黒目)へと侵入する病気です。黒目が部分的に三角形に欠けたように見えます。
乱視の原因となります。

原因

はっきりとした原因は分かっていません。
高齢者に多いことから、長期間の紫外線ばく露が影響しているのではないかと言われています。

症状

  • 異物感
  • 視野の違和感
  • 視力低下
  • 目の充血

治療法

見た目も含めて症状が気にならないようであれば、経過観察に留めます。
違和感、異物感の軽減のためには点眼薬を使用します。
また、手術によって角膜に侵入した結膜(翼状片)を切除することも可能です。

翼状片の費用

1割負担 約4,500円
2割負担 約9,000円
3割負担 約13,500円

結膜腫瘍

結膜腫瘍白目部分に生じる、良性または悪性の腫瘍です。

原因

はっきりとした原因は、分かっていません。

症状

  • 白目の表面の腫瘍(露出したり、透けて見えたりします)

治療法

局所麻酔下での手術により治療します。

結膜腫瘍の費用

1割負担 約7,000円
2割負担 約14,000円
3割負担 約21,000円

結膜脂肪腫

結膜脂肪腫結膜の下に、脂肪のかたまりが生じる病気です。中高年によく見られます。ほとんどは良性です。

原因

加齢の他、外傷、テノン嚢下への注射などを原因とし、眼球の後ろの脂肪が前方へと脱出します。

症状

  • 結膜の白い盛り上がり
  • 目の異物感
  • 視界の狭窄
  • 充血

治療法

局所麻酔下での手術により治療します。

結膜脂肪腫の費用

1割負担 約7,000円
2割負担 約14,000円
3割負担 約21,000円

眼窩腫瘍

眼窩に生じる良性または悪性の腫瘍です。原発性のもの、眼瞼・副鼻腔・頭蓋などからの続発性のものがあります。

原因

はっきりとした原因は、今のところ分かっていません。

症状

  • 眼球突出
  • 眼球の変位(位置がずれる)
  • ものが二重に見える
  • 視力低下

治療法

手術療法、化学療法、放射線療法などがありますが、一般的には手術療法の適応となります。眉の下などから切開を加え、腫瘍を摘出します。

結膜炎

結膜炎は、その名の通り結膜で炎症を起こす病気です。充血や痒みなどの症状を招きます。
結膜炎には、「うつる結膜炎」と「うつらない結膜炎」があります。

うつる結膜炎

うつる結膜炎うつる結膜炎には、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱などがあります。

流行性角結膜炎(はやり目)
原因

アデノウイルスへの感染を原因とします。
とても感染力が強く、手やタオルなどを介した間接的な接触によって、高い確率で感染します。

症状
  • 目やに
  • 涙が出る
  • 目の充血
  • 角膜の混濁(重症化した場合)
治療法

抗菌薬、場合によってはステロイド薬の点眼治療を行います。
感染力が失われたことを医師が確認するまで、登園・登校はできません。大人の場合も同様に、出社を控える必要があります。

咽頭結膜熱(プール熱)
原因

アデノウイルスへの感染を原因とします。流行性角結膜炎の原因となるアデノウイルスとは、型が異なります。
プールを介して感染が拡大することが多いことから、「プール熱」とも呼ばれます。

症状
  • 目やに
  • 目の充血
  • のどの痛み
  • 発熱
治療法

発熱に対する解熱剤、のどの痛みに対する鎮痛剤などを使用して、自然治癒を待ちます。
ステロイド薬の点眼をすることもあります。
医師の許可があるまで、登園・登校は控えます。

うつらない結膜炎

うつらない結膜炎うつらない結膜炎には、細菌性結膜炎、アレルギー性結膜炎などがあります。

細菌性結膜炎

結膜炎の中でも、もっとも頻度の高い病気です。

原因

細菌への感染を原因とします。

症状
  • 目やに
  • 目の充血
治療法

抗菌薬の点眼を行います。細菌の種類によっては、軟膏や内服薬を使用することもあります。

アレルギー性結膜炎

花粉やハウスダストを原因とし、目の痒み、目の充血などの症状を引き起こします。

結膜下出血

何らかの原因によって結膜の毛細血管が切れ、出血を起こした状態です。結膜が赤くなるため驚かれることも多いですが、正式には病気ではありません。

原因

はっきりとした原因が分からないことがほとんどです。
一部、飲酒、咳、くしゃみなどが原因になったのではないかと疑われるものもあります。

症状

  • 結膜の出血(ときに白目全体が真っ赤になる)

治療法

1~2週間で自然治癒します。
※血をさらさらにする薬を飲んでいる方は、治癒までに1ヵ月ほどかかることがあります。

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