はやり目とは?
- 正式名称:流行性角結膜炎(EKC:Epidemic Keratoconjunctivitis)
- 原因:アデノウイルス(特に8型・19型・37型など)
- 非常に感染力が強く、接触感染を中心に広がります。
ウイルス性結膜炎の主な種類と症状
はやり目(流行性角結膜炎)
原因ウイルス:アデノウイルス
感染力が非常に強く、接触感染で広がります。感染してから1〜2週間ほどの潜伏期間を経て発症します。主な症状は以下の通りです。
- まぶたの裏にブツブツ(結膜濾胞)目の充血
- 起床時に目が開かないほどの大量の目やに
- 異物感、涙目
プール熱(咽頭結膜熱)
原因ウイルス:アデノウイルス
プールを介して感染することが多いため「プール熱」と呼ばれます。咽頭(のど)と結膜の両方に症状が出るのが特徴です。潜伏期間は通常5〜7日間で、主な症状は以下の通りです。
- はやり目と同様の目の症状(充血、目やに、異物感など)
- のどの痛み・はれ ・38度以上の高熱が数日続くこともあります
- 頭痛や全身のだるさを伴うこともあります
急性出血性結膜炎
原因ウイルス:エンテロウイルス(主にエンテロ70型など)
潜伏期間が非常に短く、感染後1〜2日で急に発症します。主な症状は以下の通りです。
- 白目(結膜)やまぶたの裏に小さな出血が見られる
- 強い充血
- 異物感、軽い痛み
- 目やにや涙
なぜ結膜炎の患者さんが増えているのか?
以下のような複数の要因が重なっています。
1. 感染対策の緩み
新型コロナウイルス流行時に徹底されていたマスクや手洗い、消毒といった衛生習慣が緩んだことで、接触感染の機会が増えたと考えられます。
2. 季節性要因
夏〜秋にかけてはアデノウイルスの活動が活発になります。特に高温多湿な環境はウイルスの生存に適しており、プールや学校などで集団感染が起こりやすくなります。
3. 学校や保育施設での集団生活
子ども同士の接触が多い保育園・幼稚園・小学校では、1人が発症すると一気に広がることがあります。
注意点
- はやり目は非常に感染力が強いため、発症後は登園・登校・出勤停止となることがあります(医師の許可が必要)。
家族内で感染が広がりやすいので家庭内感染にも注意が必要です。 - 発症してから約2週間程度は感染力があります。
感染しないための対策
基本の感染予防
- こまめな手洗い(石けんを使ってしっかり洗う)
- 目を触らない
- タオルの共用を避ける
- 洗面所やドアノブなど、共用部の消毒
- 目薬の共用は禁止
発症者がいる場合の注意
- 洗顔や手洗いに使ったタオルはすぐに洗濯、できれば使い捨てペーパータオルを使用
- ドアノブ・蛇口などを定期的に消毒
- 使用した目薬・メガネ・アイマスクなどは家族で共用しない
結膜炎が疑われるときはプールをお休みしましょう
結膜炎の疑いがあると、目からウイルスが出ている可能性があります。学校のプールは多くの人と水を共有する場なので、感染を広げないためにも、医師の診断がつくまではプールはお休みしましょう。その理由は以下のとおりです。
1. ウイルス性結膜炎は非常に感染力が強いから
「はやり目(流行性角結膜炎)」や「プール熱(咽頭結膜熱)」はアデノウイルスによるもので、プールの水やタオル、手指を通じて容易に感染します。
→ 集団で泳ぐ学校のプール授業は感染拡大のリスクが高いため、疑いがある時点で参加を控えることが必要です。
2. 本人の目の症状を悪化させないため
- 結膜炎がある状態で塩素を含むプールの水に入ると目がさらに刺激されて悪化することがあります。
- かゆみ・充血・目やになどの症状が悪化し治癒が遅れる可能性も。
3. 診断の確定がついていない時点では油断できないから
健診では「疑い」として指摘されるだけで、実際にウイルス性かどうかは医療機関の診断が必要です。万が一ウイルス性だった場合、感染源となる恐れがあるため、確認が取れるまでプールは控えるのが原則です。
まとめ
はやり目はアデノウイルスによる非常に感染力の強い目の感染症です。
現在は感染対策の緩みや季節的な要因により増加傾向にあります。「目を触らない」「手洗い」「タオルを共用しない」が重要な予防法です。
発症したら眼科を受診し、周囲に感染を広げないよう十分な配慮をしましょう。