花粉・黄砂・PM2.5対策として空気清浄機は効果があるのか?
空気清浄機は、花粉・黄砂・PM2.5の対策として 一定の効果がある ことが確認されています。ただし、機種の選び方や使い方によって効果が大きく異なる ため、適切な選び方と使用方法が重要です。
目次
1. 空気清浄機の効果と仕組み
(1) 花粉への効果
◎ 効果あり(約90%以上除去可能)
- 花粉は直径 約20~40μm と比較的大きいため、ULPAまたはHEPAフィルター付きの空気清浄機 でほぼ除去可能。
ただし、室内に持ち込まない工夫(換気時の注意・衣服の払落しなど) も重要。
(2) 黄砂への効果
○ 一定の効果あり
黄砂の粒子は4~10μm程度と、花粉よりは小さいがULPAまたはHEPAフィルターで捕集可能。
- ただし、黄砂にはPM2.5や有害物質(重金属、細菌、ウイルスなど)が付着しているため、これらを効果的に除去できるフィルターが必要。
(3) PM2.5への効果
△ 機種によって効果が異なる
- PM2.5は 2.5μm以下の超微細粒子 で、肺の奥まで入り込みやすいためULPAまたはHEPAフィルター搭載機種 でないと効果が限定的。
静電式フィルター(イオン式)のみの機種は、除去効果が低い ため、フィルター式を推奨。
2. 空気清浄機を選ぶポイント
(1) ULPAまたはHEPAフィルター搭載機種を選ぶ
- ULPA(Ultra Low Penetration Air Filter)フィルター:0.15μmの粒子を 99.9995%以上捕集 できる高性能フィルター
- HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター :0.3μmの粒子を 99.97%以上捕集 できる高性能フィルター
- いずれも、PM2.5や花粉、黄砂に対しても高い除去効果が期待できます。
ULPAフィルターのほうが更に高性能ですが、目詰まりしやすいため性能を維持するためには年に1、2回の交換が必要です。HEPAフィルターであれば3年から5年に1回の交換でよいため、ランニングコストで選べばHEPAフィルター搭載機種のほうが有利です。
(2) CADR(クリーンエア供給率)が高い機種を選ぶ
- CADR値が高いほど、短時間で空気を浄化できる。
- 目安として 部屋の広さに合ったCADR値のものを選ぶ。
(3) 活性炭フィルター付きが望ましい
- 黄砂に付着した有害ガス(VOC、NOx、SOx)や臭いを除去できる。
(4) 適切なサイズの機種を選ぶ
- 部屋の広さに対して適切な処理能力(適用床面積)を持つものを選ぶ。
- 小型のものでは広い部屋には効果が限定的。
3. 効果的な使い方
(1) できるだけ稼働時間を長くする
- 花粉やPM2.5の飛散が多い時期は 24時間稼働 が理想。
寝ている間も使用することで、睡眠中のアレルギー症状を抑えられる。
(2) 置く場所を工夫する
- 入口付近(玄関や窓際) に置くと、外から入ってくる花粉や黄砂をキャッチしやすい。
- エアコンの風の流れを利用して空気の循環を良くすることも効果的です。
(3) フィルターの定期交換を忘れない
- 目詰まりすると性能が落ちるため、定期的に交換または掃除をする。
(4) 部屋の換気と併用する
- 空気清浄機だけでは室内のCO2が増えるため、PM2.5や黄砂の飛散が少ないタイミングで換気 を行う。
4. 空気清浄機だけでは不十分な点と追加対策
-
- 空気清浄機は「室内の空気を浄化する」だけなので、外出時の対策は別に必要。
- 外出時はマスク(N95推奨)を着用。
- 帰宅時に衣服を払って花粉・黄砂を持ち込まない。
- 換気の際はタイミングを見極め、窓を少しだけ開ける(花粉・黄砂の飛散が少ない時間帯を狙う)。
5. まとめ:空気清浄機は対策として有効だが、適切な選び方と使い方が重要
対象物質 |
空気清浄機の効果 |
推奨機能 |
花粉(20~40μm) |
◎ 高い効果(90%以上除去可) |
HEPAフィルター搭載機種 |
黄砂(4~10μm) |
○ 一定の効果あり |
HEPA + 活性炭フィルター |
PM2.5(2.5μm以下) |
△ HEPA搭載機種のみ有効 |
HEPAフィルター(静電式は効果低い) |
✅ 空気清浄機は、適切な機種(HEPAフィルター搭載)を選び、正しく使えば花粉・黄砂・PM2.5の対策として効果的。
⚠️ ただし、完全に防ぐことはできないため、マスクや衣服対策、換気の工夫も併用するのが重要。