「細菌感染症は怖い?」
はい、その通りです。
細菌感染症(バクテリアによる感染症)は、軽く見てはいけない病気です。放っておくと重症化したり、命に関わることもあります。ここでは、患者さんにもわかりやすく「細菌感染症はなぜ怖いのか?」をまとめて解説します。
細菌感染症が怖い理由
- 急激に悪化することがある
細菌は 短時間で爆発的に増殖します。最初は軽い症状でも、一晩で高熱や激しい腫れに変わることも。 - 組織を壊す毒素を出す
一部の細菌(例:黄色ブドウ球菌、連鎖球菌など)は、毒素(トキシン)を出して組織を壊すため、炎症がひどくなったり、壊死(細胞の死)を引き起こすこともあります。 - 血液に乗って全身に広がることがある
局所の感染でも、細菌が血液に入ると「敗血症(はいけつしょう)」と呼ばれる状態になり、全身の臓器が機能不全に陥ることがあります。これは命にかかわる重篤な状態です。
実際にある「怖い細菌感染症」の例
疾患名 |
主な症状 |
危険性 |
蜂窩織炎(ほうかしきえん) |
皮膚が赤く腫れる、熱をもつ |
急速に広がる、治療が遅れると入院必要 |
肺炎 |
咳、発熱、呼吸困難 |
高齢者では命に関わる |
髄膜炎 |
高熱、頭痛、意識障害 |
重症化すると後遺症や死亡も |
腎盂腎炎 |
高熱、背中の痛み、吐き気 |
放置すると腎不全のリスク |
眼内炎(眼科) |
眼の激痛、視力低下 |
失明に至ることもある緊急疾患 |
「軽い症状」でも油断しないことが大切
たとえば:
「目が赤くてちょっと痛いだけ…」
「虫刺されっぽい腫れだから放っておこう…」
- ➡ 実は 細菌感染の初期症状かもしれません。
早めの抗生物質治療で完治できるものが、放置してしまうと重症化してしまうこともあります。
自己判断で市販薬だけ…は危険!
「市販の目薬」や「抗菌成分の塗り薬」で症状を抑えようとする人もいますが、それでは根本的に菌が死なず、かえって悪化する場合もあります。
特に、抗菌薬の使いすぎや中途半端な使用は、薬が効かない耐性菌を作る原因にもなります。
-
まとめ
ポイント |
解説 |
細菌感染症は |
急速に悪化・全身に広がる危険あり |
自覚症状が軽くても |
実は重大なサインのことがある |
早期治療が重要 |
適切な抗菌薬で早く治すことが大切 |
自己判断は避けて |
異変を感じたら医療機関へ相談を |