帯状疱疹ウイルス(VZV)や単純ヘルペスウイルス(HSV)による角膜炎(ヘルペス角膜炎)は、適切な治療を怠ると、最悪の場合「失明」に至ることもある非常に危険な病気です。
なぜそんなに危険なのか?
どう予防・治療すべきか?
について、解説します。
目次
ヘルペスウイルスとは?
- 🦠 単純ヘルペスウイルス(HSV)
- → 主に唇・顔・目に感染
→ 目に感染すると「単純ヘルペス角膜炎」
- 🦠 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)
- → 子どもの水ぼうそう、成人の帯状疱疹の原因
→ 顔や眼のまわりに帯状疱疹が出ると「眼帯状疱疹」
どうして「失明の危険」まであるの?
❶ 角膜(黒目)がウイルスにより傷つく
- 最初は「充血」「痛み」「かすみ」など軽い症状だが、進行すると、角膜が白く濁る・潰瘍になる
❷ 再発を繰り返すことで角膜がボロボロに
- ヘルペスウイルスは神経に潜伏、体調不良・ストレスなどで繰り返し再活性化。再発のたびに角膜がダメージを受ける → 視力低下・視力喪失へ
❸ 重症化すると角膜移植が必要に
- 傷が深くなったり、瘢痕(はんこん)化すると回復不能。手術しても視力が元に戻らないことも
こんな症状は要注意!
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「片目だけが急に赤い・ゴロゴロする」
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「まぶしくて目が開けられない」
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「涙が止まらない・視界がかすむ」
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「まぶたやおでこに水ぶくれ(帯状疱疹)」
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「過去にヘルペスが出たことがある」
➡ これらは ヘルペス角膜炎の初期症状の可能性があります。すぐに眼科を受診することをお勧めします。
ヘルペス角膜炎の治療法はあるの?
はい、早期なら抗ウイルス薬で十分に治療可能です。
抗ウイルス薬(点眼・内服)
ステロイド(※注意が必要)
- 炎症を抑えるのに使いますが、使い方を間違えると悪化します。
- 自己判断で使うのは絶対にNG!
定期検診と再発予防が重要
- 一度でもヘルペス角膜炎を起こした人は、再発リスクが高いです。免疫が落ちるタイミング(風邪・疲労・睡眠不足など)で再発することも。
まとめ:ヘルペス角膜炎=「失明につながる病気」
ポイント |
内容 |
ウイルス性角膜炎の原因 |
HSVや帯状疱疹ウイルスが原因になることがある |
見た目は軽症でも |
放置・市販薬の誤用で悪化するリスク |
再発しやすい |
神経に潜むため、繰り返すと角膜が損傷 |
治療は早ければ有効 |
抗ウイルス薬で回復も見込める |
自己判断は危険 |
目が赤い・痛いときはすぐに眼科へ |
🔴 特に注意!
- 市販の目薬(充血止め・ステロイド入り)を使うと、逆に悪化する可能性があります。
- 「たかが目の充血」と軽く見ずに、片目だけの異常はすぐ眼科へ!