以下に、代表的な抗生物質の製品名(商品名)と、主な用法・用量(成人の場合)を簡潔にまとめます。
多くは感染部位や重症度によって異なりますが、一般的な内服薬を中心にご紹介します。
詳しくお知りになりたい方は、抗生物質の種類と適応疾患についてまとめていますので、合わせてご覧ください。
目次
ペニシリン系抗生物質
一般名 |
製品名 |
用法・用量(成人) |
備考 |
アモキシシリン |
サワシリン®、パセトシン® |
1回250~500mgを1日3回(毎8時間) |
扁桃炎、肺炎、歯性感染など |
アンピシリン |
ビクシリン® |
1回250~500mgを1日4回(毎6時間) |
消化管吸収が不安定で点滴用も多い |
セフェム系抗生物質
一般名 |
製品名 |
用法・用量(成人) |
備考 |
セフカペン ピボキシル |
フロモックス® |
1回100mgを1日3回 |
呼吸器、尿路、皮膚など |
セフジトレン ピボキシル |
メイアクト® |
1回100mgを1日3回 |
小児にも使用可 |
セフポドキシム プロキセチル |
バナン® |
1回100mgを1日2回 |
食後服用が推奨される |
マクロライド系抗生物質
一般名 |
製品名 |
用法・用量(成人) |
備考 |
クラリスロマイシン |
クラリス®、クラリシッド® |
1回200~400mgを1日2回 |
マイコプラズマ、慢性副鼻腔炎 |
アジスロマイシン |
ジスロマック® |
通常:500mgを1日1回、3日間または初回1000mg+以降500mgで5日間 |
長時間作用。1回で済む場合もあり |
ニューキノロン系抗生物質
一般名 |
製品名 |
用法・用量(成人) |
備考 |
レボフロキサシン |
クラビット® |
500mgを1日1回 |
尿路・肺・副鼻腔・結膜炎など |
シプロフロキサシン |
シプロキサン® |
500mgを1日2回(海外では) |
日本では点眼・点耳が主 |
テトラサイクリン系抗生物質
一般名 |
製品名 |
用法・用量(成人) |
備考 |
ミノサイクリン |
ミノマイシン® |
1回100mgを1日1~2回 |
ニキビ、歯性感染、リケッチア |
ドキシサイクリン |
ビブラマイシン® |
初日200mg、以降100mgを1日1回 |
空腹時服用は胃腸障害に注意 |
アミノグリコシド系(主に注射薬)
一般名 |
製品名 |
用法・用量(成人) |
備考 |
ゲンタマイシン |
ゲンタシン® |
1日80~160mgを2~3回分割投与(筋注または点滴) |
腎機能モニタリングが必要 |
アミカシン |
ビクリン® |
1日250~500mgを2~3回分割 |
重症敗血症などに使用 |
カルバペネム系(注射薬)
一般名 |
製品名 |
用法・用量(成人) |
備考 |
メロペネム |
メロペン® |
0.5~1gを1日3回(点滴) |
多剤耐性菌にも有効 |
イミペネム・シラスタチン |
チエナム® |
0.5gを1日3~4回 |
腎機能で調整が必要 |
その他(耐性菌や特殊感染症に対応)
一般名 |
製品名 |
用法・用量(成人) |
備考 |
バンコマイシン |
バンコマイシン塩酸塩注 |
15~20mg/kgを12時間毎(点滴) |
MRSA感染症、TDMが必要 |
クリンダマイシン |
ダラシン® |
150~300mgを1日3~4回 |
嫌気性菌に有効、歯科感染で使用多い |
リネゾリド |
ザイボックス® |
600mgを1日2回(内服または点滴) |
経口で使えるMRSA治療薬 |
抗結核薬(参考)
一般名 |
製品名 |
用法・用量 |
備考 |
イソニアジド |
イスコチン® |
5mg/kg/日(300mg/日が標準) |
単剤不可、他薬と併用必須 |
リファンピシン |
リファジン® |
約10mg/kg(450~600mg/日) |
体液が赤橙色になることあり |
📝補足
-
- 上記の用量は成人(体重約50〜60kg)を想定しています。
- 小児、高齢者、腎機能障害患者では用量調整が必要です。
- 実際の投与設計は医師が感染部位・菌種・体重・腎機能・アレルギー歴などを総合的に判断して決定します。