抗生物質の用法・用量

2025.07.06

以下に、代表的な抗生物質の製品名(商品名)と、主な用法・用量(成人の場合)を簡潔にまとめます。
多くは感染部位や重症度によって異なりますが、一般的な内服薬を中心にご紹介します。
詳しくお知りになりたい方は、抗生物質の種類と適応疾患についてまとめていますので、合わせてご覧ください。

ペニシリン系抗生物質

一般名

製品名

用法・用量(成人)

備考

アモキシシリン 

サワシリン®、パセトシン® 

1回250~500mgを1日3回(毎8時間)

扁桃炎、肺炎、歯性感染など

アンピシリン

ビクシリン®

1回250~500mgを1日4回(毎6時間) 

消化管吸収が不安定で点滴用も多い 

セフェム系抗生物質

一般名

製品名

用法・用量(成人)

備考

セフカペン ピボキシル

フロモックス® 

1回100mgを1日3回 

呼吸器、尿路、皮膚など 

セフジトレン ピボキシル

メイアクト®

1回100mgを1日3回

小児にも使用可

セフポドキシム プロキセチル 

バナン®

1回100mgを1日2回

食後服用が推奨される

マクロライド系抗生物質

一般名

製品名

用法・用量(成人)

備考

クラリスロマイシン 

クラリス®、クラリシッド® 

1回200~400mgを1日2回

マイコプラズマ、慢性副鼻腔炎

アジスロマイシン

ジスロマック®

通常:500mgを1日1回、3日間または初回1000mg+以降500mgで5日間 

長時間作用。1回で済む場合もあり 

ニューキノロン系抗生物質

一般名

製品名

用法・用量(成人)

備考

レボフロキサシン

クラビット®

500mgを1日1回

尿路・肺・副鼻腔・結膜炎など 

シプロフロキサシン 

シプロキサン® 

500mgを1日2回(海外では) 

日本では点眼・点耳が主

テトラサイクリン系抗生物質

一般名

製品名

用法・用量(成人)

備考

ミノサイクリン

ミノマイシン®

1回100mgを1日1~2回

ニキビ、歯性感染、リケッチア 

ドキシサイクリン 

ビブラマイシン® 

初日200mg、以降100mgを1日1回 

空腹時服用は胃腸障害に注意

アミノグリコシド系(主に注射薬)

一般名

製品名

用法・用量(成人)

備考

ゲンタマイシン 

ゲンタシン®

1日80~160mgを2~3回分割投与(筋注または点滴) 

腎機能モニタリングが必要 

アミカシン

ビクリン®

1日250~500mgを2~3回分割

重症敗血症などに使用

カルバペネム系(注射薬)

一般名

製品名

用法・用量(成人)

備考

メロペネム

メロペン®

0.5~1gを1日3回(点滴) 

多剤耐性菌にも有効 

イミペネム・シラスタチン 

チエナム® 

0.5gを1日3~4回

腎機能で調整が必要

その他(耐性菌や特殊感染症に対応)

一般名

製品名

用法・用量(成人)

備考

バンコマイシン

バンコマイシン塩酸塩注 

15~20mg/kgを12時間毎(点滴)

MRSA感染症、TDMが必要

クリンダマイシン 

ダラシン®

150~300mgを1日3~4回

嫌気性菌に有効、歯科感染で使用多い 

リネゾリド

ザイボックス®

600mgを1日2回(内服または点滴) 

経口で使えるMRSA治療薬

抗結核薬(参考)

一般名

製品名

用法・用量

備考

イソニアジド

イスコチン®

5mg/kg/日(300mg/日が標準)

単剤不可、他薬と併用必須

リファンピシン 

リファジン® 

約10mg/kg(450~600mg/日) 

体液が赤橙色になることあり 

📝補足

    • 上記の用量は成人(体重約50〜60kg)を想定しています。
    • 小児、高齢者、腎機能障害患者では用量調整が必要です。
    • 実際の投与設計は医師が感染部位・菌種・体重・腎機能・アレルギー歴などを総合的に判断して決定します。