「老眼」は、加齢によって近くが見えにくくなる現象で、医学的には「老視(Presbyopia)」と呼ばれます。
40代頃から始まり、手元のピントが合いづらい/目が疲れる/文字がぼやけるといった症状が出ます。誰にでも起こる「自然な老化現象」です。
目次
なぜ起こるの?
目の中の「水晶体(レンズ)」が加齢により硬くなり、ピントを合わせる力(調節力)が弱まるためです。
年齢 |
調節力の目安 |
10歳 |
約15D(非常に強い) |
40歳 |
約4D(手元がつらくなる) |
50歳 |
約1.5D(老眼鏡が必要に) |
60歳 |
ほぼ0D(調節できない) |
主な症状
症状 |
説明 |
近くの文字がぼやける |
スマホや新聞、読書がつらい |
手元を離すと見やすい |
「腕が足りない」と感じる |
目が疲れる・肩こり |
ピント調節に無理をしているため |
暗いと特に見えにくい |
明るさが足りないと読みにくさ倍増 |
集中力の低下 |
本や仕事に集中できなくなる |
老眼と近視・遠視との違い
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- 近視の人:遠くが見えにくいが、老眼になると近くもつらくなる
→ 眼鏡をはずすと近くは見えることも
- 近視の人:遠くが見えにくいが、老眼になると近くもつらくなる
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- 遠視の人:老眼になるのが早く、より強く感じやすい
- 乱視の人:老眼と重なると読書やPC作業で疲れやすい
対応方法(治療ではなく“対処”)
老眼を根本的に治す方法はありませんが、次の方法で快適に過ごせます。
1. 老眼鏡(リーディンググラス)
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- 一番シンプルで安価
- 手元の距離(30~50cm)に合わせて度数を調整
- 100円ショップのものより、きちんと検査して自分に合ったものを
2. 遠近両用メガネ/中近メガネ
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- 仕事や外出時もかけっぱなしにしたい人向け
- パソコンや料理など、用途に応じて設計変更可能
3. 遠近両用コンタクトレンズ
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- スポーツやおしゃれ優先の方に
- ハード・ソフト両方に選択肢あり(処方は眼科で)
4. モノビジョン(片眼で遠く、片眼で近く)
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- コンタクトやICL手術で採用される方法
- 脳で“慣れる”必要があるため、全員に合うわけではない
5. レーザー手術・多焦点眼内レンズ(白内障手術併用)
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- 白内障手術の際に「遠近両用の人工レンズ」を入れることで老眼も補正可能
- 全額自己負担(保険適応外)で数十万円が必要
老眼に関する誤解
誤解 |
実際は… |
「視力が良い人は老眼にならない」 |
✕ 視力が良くても老視にはなります |
「老眼鏡をかけると進行が早くなる」 |
✕ 老眼は自然に進むので、無理せず早めの使用が◎ |
「スマホのせいで老眼が早くなった」 |
✕ 近くを見続けることで自覚が早くなることはありますが、直接の原因ではありません |
生活のコツ
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- 画面は明るめ+文字を大きく設定
- 長時間の手元作業は30分に1回休憩
- 明るい照明で読書・作業
- ドライアイ対策も併せて行うと◎
まとめ
項目 |
内容 |
正式名称 |
老視(ろうし) |
主な原因 |
水晶体の硬化と調節力の低下 |
発症年齢 |
40歳前後から徐々に |
対策 |
老眼鏡・遠近両用・コンタクト・白内障手術併用 |
重要なこと |
無理せず、合った矯正で快適な生活を |
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