老眼とは?

2025.08.09

老眼」は、加齢によって近くが見えにくくなる現象で、医学的には「老視(Presbyopia)」と呼ばれます。

40代頃から始まり、手元のピントが合いづらい/目が疲れる/文字がぼやけるといった症状が出ます。誰にでも起こる「自然な老化現象」です。

なぜ起こるの?

目の中の「水晶体(レンズ)」が加齢により硬くなり、ピントを合わせる力(調節力)が弱まるためです。

年齢

調節力の目安

10歳

約15D(非常に強い)

40歳

約4D(手元がつらくなる) 

50歳

約1.5D(老眼鏡が必要に)

60歳 

ほぼ0D(調節できない)

 主な症状

症状

説明

近くの文字がぼやける 

スマホや新聞、読書がつらい

手元を離すと見やすい

「腕が足りない」と感じる

目が疲れる・肩こり

ピント調節に無理をしているため

暗いと特に見えにくい

明るさが足りないと読みにくさ倍増 

集中力の低下

本や仕事に集中できなくなる

老眼と近視・遠視との違い

    • 近視の人:遠くが見えにくいが、老眼になると近くもつらくなる
       → 眼鏡をはずすと近くは見えることも
    • 遠視の人:老眼になるのが早く、より強く感じやすい
    • 乱視の人:老眼と重なると読書やPC作業で疲れやすい

対応方法(治療ではなく“対処”)

老眼を根本的に治す方法はありませんが、次の方法で快適に過ごせます。

1. 老眼鏡(リーディンググラス)

    • 一番シンプルで安価
    • 手元の距離(30~50cm)に合わせて度数を調整
    • 100円ショップのものより、きちんと検査して自分に合ったものを

2. 遠近両用メガネ/中近メガネ

    • 仕事や外出時もかけっぱなしにしたい人向け
    • パソコンや料理など、用途に応じて設計変更可能

3. 遠近両用コンタクトレンズ

    • スポーツやおしゃれ優先の方に
    • ハード・ソフト両方に選択肢あり(処方は眼科で)

4. モノビジョン(片眼で遠く、片眼で近く)

    • コンタクトやICL手術で採用される方法
    • 脳で“慣れる”必要があるため、全員に合うわけではない

5. レーザー手術・多焦点眼内レンズ(白内障手術併用)

    • 白内障手術の際に「遠近両用の人工レンズ」を入れることで老眼も補正可能
    • 全額自己負担(保険適応外)で数十万円が必要

老眼に関する誤解

誤解

実際は…

「視力が良い人は老眼にならない」

✕ 視力が良くても老視にはなります

「老眼鏡をかけると進行が早くなる」 

✕ 老眼は自然に進むので、無理せず早めの使用が◎

「スマホのせいで老眼が早くなった」

✕ 近くを見続けることで自覚が早くなることはありますが、直接の原因ではありません 

生活のコツ

    • 画面は明るめ+文字を大きく設定
    • 長時間の手元作業は30分に1回休憩
    • 明るい照明で読書・作業
    • ドライアイ対策も併せて行うと◎

まとめ

項目

内容

正式名称

老視(ろうし)

主な原因

水晶体の硬化と調節力の低下

発症年齢

40歳前後から徐々に

対策

老眼鏡・遠近両用・コンタクト・白内障手術併用 

重要なこと 

無理せず、合った矯正で快適な生活を

更に詳細な情報をお知りになりたい方はこちらをご覧ください。