「目がピクピクする(まぶたのけいれん)」に関連する代表的な2つの病態、眼瞼ミオキミアと眼瞼けいれんについて、原因・症状・治療法を詳しくご紹介します。
目次
「目がピクピク」の正体とは?
まぶたが勝手に動く原因には、以下の2つがよく見られます。
病名 |
特徴 |
主な治療法 |
眼瞼ミオキミア(Myokymia) |
一時的な下まぶたのピクピク。片目に多く、数秒〜数分続くことがある |
原因除去・生活改善が基本 |
眼瞼けいれん(Blepharospasm) |
両目に起こるまぶたの不随意な収縮。進行すると目が開けづらくなる |
ボトックス注射など医学的治療が必要 |
1. 眼瞼ミオキミア(がんけんミオキミア)
特徴
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- 多くは片目の下まぶたに発生
- ピクピクと短時間の収縮が繰り返される
- 痛みなし/視力障害なし
主な原因
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- 目の酷使(VDT作業)
- 睡眠不足
- ストレス・疲れ
- カフェインやアルコールの摂取
- 一時的な神経の興奮
治療
方法 |
内容 |
休息・睡眠 |
最も基本。十分な睡眠が第一 |
カフェイン制限 |
コーヒーやエナジードリンクなどを控える |
ストレス対策 |
軽い運動やリラックス |
目を温める |
蒸しタオルなどで血流改善 |
ドライアイ治療 |
目の乾燥も刺激になることがある |
✅ ほとんどは1〜2週間で自然に治まります。
2. 眼瞼けいれん(がんけんけいれん)
特徴
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- 両目に起こる
- まぶたが勝手に閉じてしまう/開けにくい
- まぶしさ・ドライアイ症状・目の違和感を伴うことも
- 進行すると、日常生活に支障が出る(読書や運転困難など)
原因
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- 明確な原因不明(脳の運動制御に関わる機能異常)
- 中高年に多く、女性にやや多い
- 抗うつ薬・向精神薬の影響が関与することも
治療法
方法 |
内容 |
ボツリヌス毒素注射(ボトックス) |
筋肉の過剰な動きを抑える。約3~4か月効果持続。第一選択 |
薬物療法(内服) |
抗コリン薬、抗てんかん薬、漢方薬など(効果に個人差) |
精神的ケア |
ストレス・抑うつとの関連も考慮 |
検査 |
他の神経疾患との鑑別が必要な場合あり(MRIなど) |
✅ ボトックス注射で9割以上の患者さんに改善が見られると言われています。
※保険診療対象です。
「眼瞼けいれん」を疑うチェックリスト
以下に当てはまる方は、眼瞼けいれんの可能性があります:
- 両目が勝手に閉じる
- まぶしさが強い
- ドライアイの治療をしても改善しない
- まばたきが無意識に多くなる
- 目が疲れて重く開けづらい
- ピクピクではなく“ぎゅっ”と閉じる感覚がある
➡️ 一度眼科で専門的な診察を受けましょう。
まとめ
症状 |
眼瞼ミオキミア |
眼瞼けいれん |
主な部位 |
片目の下まぶた |
両目のまぶた全体 |
持続時間 |
数秒〜数日(自然軽快) |
数週間〜慢性化することも |
自覚症状 |
ピクピク動く程度 |
目が開かない、まぶしい、生活に支障 |
主な原因 |
疲れ・ストレス・カフェイン |
脳の制御機能の異常(本態性) |
治療法 |
休養・目の温罨法・生活改善 |
ボトックス注射、薬物療法など |
眼科でのご案内・治療について
当院では以下の対応が可能です。
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- 眼瞼けいれん・ミオキミアの鑑別診断
- OCT・視野・ドライアイの検査
- ボツリヌス治療(ボトックス)保険適用
- 他科連携(神経内科などが必要な場合)