「目がピクピクする(まぶたの痙攣)」に関連する代表的な病態

2025.08.09

目がピクピクする(まぶたのけいれん)」に関連する代表的な2つの病態、眼瞼ミオキミア眼瞼けいれんについて、原因・症状・治療法を詳しくご紹介します。

「目がピクピク」の正体とは?

まぶたが勝手に動く原因には、以下の2つがよく見られます。

病名

特徴

主な治療法

眼瞼ミオキミア(Myokymia) 

一時的な下まぶたのピクピク。片目に多く、数秒〜数分続くことがある 

原因除去・生活改善が基本

眼瞼けいれん(Blepharospasm) 

両目に起こるまぶたの不随意な収縮。進行すると目が開けづらくなる

ボトックス注射など医学的治療が必要 

1. 眼瞼ミオキミア(がんけんミオキミア)

特徴

    • 多くは片目の下まぶたに発生
    • ピクピクと短時間の収縮が繰り返される
    • 痛みなし/視力障害なし

主な原因

    • 目の酷使(VDT作業)
    • 睡眠不足
    • ストレス・疲れ
    • カフェインやアルコールの摂取
    • 一時的な神経の興奮

治療

方法

内容

休息・睡眠

最も基本。十分な睡眠が第一

カフェイン制限

コーヒーやエナジードリンクなどを控える 

ストレス対策

軽い運動やリラックス

目を温める

蒸しタオルなどで血流改善

ドライアイ治療 

目の乾燥も刺激になることがある

ほとんどは1〜2週間で自然に治まります。

2. 眼瞼けいれん(がんけんけいれん)

特徴

    • 両目に起こる
    • まぶたが勝手に閉じてしまう/開けにくい
    • まぶしさ・ドライアイ症状・目の違和感を伴うことも
    • 進行すると、日常生活に支障が出る(読書や運転困難など)

原因

    • 明確な原因不明(脳の運動制御に関わる機能異常)
    • 中高年に多く、女性にやや多い
    • 抗うつ薬・向精神薬の影響が関与することも

治療法

方法

内容

ボツリヌス毒素注射(ボトックス) 

筋肉の過剰な動きを抑える。約3~4か月効果持続。第一選択 

薬物療法(内服)

抗コリン薬、抗てんかん薬、漢方薬など(効果に個人差)

精神的ケア

ストレス・抑うつとの関連も考慮

検査

他の神経疾患との鑑別が必要な場合あり(MRIなど)

ボトックス注射で9割以上の患者さんに改善が見られると言われています。
※保険診療対象です。

「眼瞼けいれん」を疑うチェックリスト

以下に当てはまる方は、眼瞼けいれんの可能性があります:

  • 両目が勝手に閉じる
  • まぶしさが強い
  • ドライアイの治療をしても改善しない
  • まばたきが無意識に多くなる
  • 目が疲れて重く開けづらい
  • ピクピクではなく“ぎゅっ”と閉じる感覚がある

➡️ 一度眼科で専門的な診察を受けましょう。

まとめ

症状

眼瞼ミオキミア

眼瞼けいれん

主な部位 

片目の下まぶた

両目のまぶた全体

持続時間

数秒〜数日(自然軽快)

数週間〜慢性化することも

自覚症状

ピクピク動く程度

目が開かない、まぶしい、生活に支障 

主な原因

疲れ・ストレス・カフェイン 

脳の制御機能の異常(本態性)

治療法

休養・目の温罨法・生活改善

ボトックス注射、薬物療法など

眼科でのご案内・治療について

当院では以下の対応が可能です。

    • 眼瞼けいれん・ミオキミアの鑑別診断
    •  OCT・視野・ドライアイの検査
    • ボツリヌス治療(ボトックス)保険適用
    • 他科連携(神経内科などが必要な場合)