目次
患者さん向け(やさしい説明)
「ガチャ目」とは、医学用語ではありませんが、両目の見え方や向きがそろっていない状態を指して使われる言葉です。
医学的には大きく 2つのタイプ があります。
① 不同視(ふどうし)
- 左右の目で 見え方の度合いが大きく違う状態 です。片方がよく見えて、もう片方は強い近視・遠視・乱視でぼやけることがあります。
放っておくと…
-
- 子どもでは片方の目が育たず「弱視」になることがあります。
- 大人では両目でバランスよく見られず、目が疲れやすくなります。
② 斜視(しゃし)
- 両目の 向きがずれている状態 です。(例:右目は正面を見ているのに、左目は内側や外側を向く)
放っておくと…
-
- 子どもでは「弱視」や「立体的にものを見る力(両眼視機能)」が育たなくなることがあります。
- 大人では「物が二重に見える」「疲れやすい」などの症状が出ることがあります。
治療について
-
- 眼鏡やコンタクトで度を合わせる
- 子どもでは、弱視がある場合にアイパッチで片目を鍛える
- 斜視が強い場合は手術を検討することもあります
👉 ガチャ目は放っておくと将来の見え方に影響することがあるため、気になるときは早めに眼科で相談しましょう。
医療従事者向け(専門的な解説)
ガチャ目の臨床的背景
俗称「ガチャ目」は、医学的には 不同視(anisometropia) および 斜視(strabismus) を指すことが多い。いずれも小児では弱視形成、大人では両眼視障害の原因となりうるため、早期の診断と介入が重要である。
① 不同視(anisometropia)
-
- 定義:左右眼の屈折度数差が大きい状態。一般的には球面換算差 ≥2.0D 程度を臨床的に問題とする。
- 病態:網膜像の大きさの差(aniseikonia)や像の不鮮明さにより、感受性期の視覚入力が抑制され、不同視弱視に至る。
- 臨床的意義:小児期に未矯正であれば弱視のリスク。成人では立体視障害や眼精疲労が主訴。
- 検査:サイプレジックレフラクトメトリー、矯正視力、両眼視機能検査。
- 治療:眼鏡・コンタクトによる屈折矯正。弱視例では遮閉訓練やアトロピン点眼を併用。
② 斜視(strabismus)
-
- 定義:眼位異常により、片眼が固視点からずれる状態。顕性斜視・間欠性斜視を含む。
- 病態:両眼の網膜像不一致により抑制・複視・両眼視障害が生じる。
- 臨床的意義:小児では感受性期に弱視や両眼視発達障害をきたす。成人では複視、眼精疲労、美容的問題。
- 検査:カバーテスト、プリズム交代カバーテスト、ステレオテストなど。
- 治療:眼鏡矯正、プリズム眼鏡、視能訓練。機能的・美容的支障が大きい場合は斜視手術。
まとめ
-
「ガチャ目」は不同視と斜視に大別される。
- いずれも弱視予防のため小児期での早期介入が不可欠。
- 成人では両眼視障害による生活の質低下が問題となる。
- 更に詳細な情報をお知りになりたい方はガチャ目とは?をご覧ください。