目次
患者さん向け(やさしい説明)
プリズム眼鏡とは?
引用:眼と眼鏡
プリズム眼鏡は、レンズに「プリズム」という特殊な仕組みを組み込んだ眼鏡です。
光を曲げて入れることで、両目のずれを補正し、ものを一つに見やすくするために使います。
どんなときに使うの?
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- 物が二重に見える(複視)とき
- 斜視や眼の動きのバランスの乱れがあるとき
- 目が疲れやすい、頭痛が出やすいとき
メリット
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- 手術せずに複視を軽減できる
- 日常生活の見やすさが改善する
注意点
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- すべての人に効果があるわけではない
- 眼の状態が変わると度数調整が必要になる
医療従事者向け(専門的な解説)
定義
プリズム眼鏡は、光学的プリズムをレンズに組み込み、入射光の方向を偏向させることで眼位ずれによる両眼視障害を補正する補助具である。
適応
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- 複視を伴う斜視(特に小角度の恒常性斜視、間欠性斜視)
- 脳血管障害後の眼球運動障害による複視
- 眼精疲労を伴う潜伏斜視(heterophoria)
作用機序
引用:眼と眼鏡
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- プリズムの基底方向(base in/out/up/down)に応じて光路を偏向させ、網膜対応位置を調整する。
- これにより、両眼の像を一致させて複視を解消・軽減する。
注意点
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- 過大なプリズム度数は装用困難
- 眼位の変動や斜視角の大きい症例では効果が限定的
- 小児では弱視治療や両眼視訓練と併用を検討
- 成人発症の複視では暫間プリズム(フレネル膜プリズム)を用いて経過観察する場合が多い
まとめ
プリズム眼鏡は、
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- 患者さんにとっては「二重に見えるのを減らす眼鏡」
- 医療者にとっては「眼位異常や両眼視障害を光学的に補正する手段」