「目が痛い」という症状のなかに、「三叉神経痛(さんさしんけいつう)」が関係している場合があります。ただしこれは非常に特殊でまれなケースです。以下で、三叉神経痛とは何か、どうして目の痛みとして感じられるのか、分かりやすく解説します。
三叉神経痛とは?
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- 三叉神経(さんさしんけい)とは、顔の感覚を脳に伝える大事な神経です。
- この神経がなんらかの原因で圧迫や障害を受けると、顔に突然の鋭い痛みが出ます。
- 三叉神経には「眼枝(第1枝)」「上顎枝(第2枝)」「下顎枝(第3枝)」の3つの枝があります。
目の痛みと三叉神経痛の関係
- 「眼枝(第1枝)」は、目の周囲・おでこ・頭の前方に感覚を伝える神経です。この枝が障害されると、目の奥や周囲に強い痛みを感じることがあります。
- ただし、これは「目の異常」ではなく、「神経の異常による放散痛(ほうさんつう)」です。
痛みの特徴
特徴 |
内容 |
性質 |
電気が走るような、ズキン!とくる痛み |
持続時間 |
数秒〜1分ほど(短く、突発的) |
痛む範囲 |
片側の目の周囲やおでこ、こめかみなど |
誘因 |
洗顔、歯磨き、風が当たるなどで誘発される |
自覚症状 |
「まばたきするだけで痛い」「風があたると耐えられない」ことも |
鑑別診断(見分けが必要)
目の痛みには、次のような病気も考えられます。三叉神経痛と見分けが大切です。
疾患名 |
痛みの特徴 |
鈍い痛み、乾き、異物感 |
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急性緑内障発作 |
激しい目の奥の痛み、頭痛、吐き気(緊急性高) |
副鼻腔炎(上顎洞炎) |
頬や目の周りの鈍い痛み、鼻づまり |
帯状疱疹 |
痛み+赤い発疹(水ぶくれ) |
群発頭痛 |
目の奥をえぐられるような痛み、涙・鼻水も出る |
視神経炎 |
目の奥の痛み+視力低下 |
検査・診断方法
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- 神経学的診察(痛みの場所やパターンを確認)
- MRI:血管が神経を圧迫しているかを確認
- 眼科的検査で目自体の病気を除外
治療法
方法 |
内容 |
薬物療法 |
カルバマゼピンなどの抗てんかん薬が第一選択。痛みを軽減 |
神経ブロック |
局所麻酔を用いた治療(効果が一時的な場合あり) |
手術 |
血管による圧迫が原因の場合、微小血管減圧術(MVD)など |
放射線治療 |
ガンマナイフなどの選択肢も |
まとめ
項目 |
内容 |
原因 |
三叉神経(第1枝)が障害される |
症状 |
片側の目の周りの鋭い痛み |
特徴 |
電気ショックのような痛みが数秒~1分 |
検査 |
MRIなどで神経の圧迫確認 |
治療 |
抗てんかん薬、神経ブロック、手術など |
こんなときは眼科より脳神経外科へ
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- 「目に異常がないのに、激しい目の奥の痛みがある」
- 「発作的にピリッとした痛みが続く」
- 「顔の一部を触ると、誘発されるような痛みがある」
このような場合は、神経痛の可能性があるため脳神経外科や神経内科の受診が必要です。