狭隅角と閉塞隅角緑内障の違い

2025.09.03

狭隅角(きょうぐうかく)」と「閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)」は、とても密接に関係した用語ですが、意味が異なります
簡単にいえば

  • 狭隅角は「構造の異常(リスク状態)」
  • 閉塞隅角緑内障は「病気(発症した状態)」

以下、わかりやすく詳しく解説します。

まず「隅角」とは?

  • 房水(ぼうすい)という目の中の水は、「隅角(ぐうかく)」という部分から排出されます。

  • 隅角は、「虹彩(こうさい/茶目)」と「角膜(黒目の透明な部分)」の間の角(すみ)にあります。

狭隅角とは?

    • 隅角が生まれつき狭い状態
    • 房水の排出口がせまく、つまりやすい構造。
    • 症状はなし(本人は気づかない)。
    • 眼科検診で見つかることが多い。
    • 緑内障の発作を起こす前の状態(予備軍)

閉塞隅角緑内障とは?

これは「病気の名前」です。

    • 狭隅角の人が発症することがある緑内障の一種
    • 隅角が完全にふさがり、急に眼圧が上昇します。
    • 視神経がダメージを受け、視力が低下します。

急性発作を起こすと

症状

説明

目の激しい痛み

目の奥がズキズキ、ドーンと痛い

視力低下

かすみ、視界がにじむ

吐き気・頭痛

眼圧上昇が全身症状を起こす

光のまわりに虹が見える 

「光輪視(こうりんし)」と呼ばれます 

目が硬くなる

指で触れるとパンパンに感じる

これは緊急対応が必要な疾患で、放置すると失明することもあります

違いの比較表

項目

狭隅角

閉塞隅角緑内障

意味

隅角が狭い「構造的な状態」

隅角がふさがって眼圧が上がる「病気」 

症状

なし(自覚症状ゼロ)

急激な目の痛み・視力低下・頭痛など

診断方法 

隅角検査、OCTなど

同上+眼圧測定・視神経評価

治療

レーザーで予防、白内障手術など 

緊急の眼圧降下、レーザー・手術

治療の考え方

【狭隅角の段階】

    • レーザー虹彩切開術(LI)で、虹彩に小さな穴を開けて水の流れ道を作る
    • 白内障手術で水晶体を取り除くと、隅角が広がる

【閉塞隅角緑内障を発症した場合】

    • まず急いで眼圧を下げる治療(点滴、内服、点眼)
    • 発作が治まった後、レーザー治療や白内障手術

まとめ

用語

意味

状態

対応

狭隅角

隅角がせまい

病気ではないがリスクが高い 

予防的レーザー or 白内障手術 

閉塞隅角緑内障 

隅角が閉じて眼圧が急上昇 

緊急の病気

すぐに治療、再発予防の処置

 

狭隅角ついては狭隅角とは?についてに詳しくまとめましたのでご覧ください。