「狭隅角(きょうぐうかく)」と「閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)」は、とても密接に関係した用語ですが、意味が異なります。
簡単にいえば
- 狭隅角は「構造の異常(リスク状態)」
- 閉塞隅角緑内障は「病気(発症した状態)」
以下、わかりやすく詳しく解説します。
まず「隅角」とは?
- 房水(ぼうすい)という目の中の水は、「隅角(ぐうかく)」という部分から排出されます。
- 隅角は、「虹彩(こうさい/茶目)」と「角膜(黒目の透明な部分)」の間の角(すみ)にあります。
狭隅角とは?
-
- 隅角が生まれつき狭い状態。
- 房水の排出口がせまく、つまりやすい構造。
- 症状はなし(本人は気づかない)。
- 眼科検診で見つかることが多い。
- 緑内障の発作を起こす前の状態(予備軍)。
閉塞隅角緑内障とは?
これは「病気の名前」です。
-
- 狭隅角の人が発症することがある緑内障の一種。
- 隅角が完全にふさがり、急に眼圧が上昇します。
- 視神経がダメージを受け、視力が低下します。
急性発作を起こすと
症状 |
説明 |
目の激しい痛み |
目の奥がズキズキ、ドーンと痛い |
視力低下 |
かすみ、視界がにじむ |
吐き気・頭痛 |
眼圧上昇が全身症状を起こす |
光のまわりに虹が見える |
「光輪視(こうりんし)」と呼ばれます |
目が硬くなる |
指で触れるとパンパンに感じる |
これは緊急対応が必要な疾患で、放置すると失明することもあります。
違いの比較表
項目 |
狭隅角 |
閉塞隅角緑内障 |
意味 |
隅角が狭い「構造的な状態」 |
隅角がふさがって眼圧が上がる「病気」 |
症状 |
なし(自覚症状ゼロ) |
急激な目の痛み・視力低下・頭痛など |
診断方法 |
隅角検査、OCTなど |
同上+眼圧測定・視神経評価 |
治療 |
レーザーで予防、白内障手術など |
緊急の眼圧降下、レーザー・手術 |
治療の考え方
【狭隅角の段階】
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- レーザー虹彩切開術(LI)で、虹彩に小さな穴を開けて水の流れ道を作る
- 白内障手術で水晶体を取り除くと、隅角が広がる
【閉塞隅角緑内障を発症した場合】
-
- まず急いで眼圧を下げる治療(点滴、内服、点眼)
- 発作が治まった後、レーザー治療や白内障手術
- まず急いで眼圧を下げる治療(点滴、内服、点眼)
まとめ
用語 |
意味 |
状態 |
対応 |
狭隅角 |
隅角がせまい |
病気ではないがリスクが高い |
予防的レーザー or 白内障手術 |
閉塞隅角緑内障 |
隅角が閉じて眼圧が急上昇 |
緊急の病気 |
すぐに治療、再発予防の処置 |
狭隅角ついては狭隅角とは?についてに詳しくまとめましたのでご覧ください。