緑内障リスクを調べる「うつむき試験」とは?

2025.09.03

緑内障とうつむき試験(Head-down test / うつむき体位試験)」は、隅角が狭いタイプの緑内障、特に「閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)」や「狭隅角眼」の患者さんにおいて、発作のリスクを評価するための検査の一つです。

以下、詳しくわかりやすく解説します。

うつむき試験とは?

  • 患者さんを頭を下げた姿勢(うつむき)にして、眼圧がどう変化するかを測定します。

  • 通常、30分ほどうつむき姿勢をとって、その前後の眼圧を比較します。

目的:なぜやるの?

この試験は「この人は、今後、急性閉塞隅角緑内障を起こしやすいかどうかシミュレーション的に調べるために行います。

試験方法

    1. 通常の状態でまず眼圧を測定
    2. 頭を下げた姿勢(例えば顔を下にして30°の傾斜でベッドに30分間
    3. 再び眼圧を測定
    4. 前後の眼圧の変化を見る

解釈

結果

考えられること

眼圧が大きく上昇した(例:+8mmHg以上) 

隅角が非常に狭く、閉塞発作を起こしやすい状態である可能性がある 

変化がない/小さい

今すぐ発作のリスクは低い(ただし絶対安全とは言い切れない)

※この試験で「陽性」と出た患者は、レーザー虹彩切開術(LI)や白内障手術などの予防的治療を検討します。

注意点・限界

    • あくまで補助的な試験です。 
      → 隅角鏡や前眼部OCTなど他の検査と合わせて判断します。
    • もともと眼圧が高い人には行わないこともあります。
    • 急性緑内障発作の誘発リスクがあるため、安全に配慮して行う必要があります。
    • あまり行われない施設もあります(主に大学病院や専門施設で実施)。

まとめ

項目

内容

名称

うつむき試験(head-down test)

対象 

狭隅角眼、閉塞隅角緑内障のリスク評価 

方法

30分うつむき → 眼圧変化を測定

判定

眼圧が大きく上がればリスクあり

意義

発作予防の判断材料として有用