「前立腺肥大と緑内障の関係」について、わかりやすく解説します。
目次
1. 前立腺肥大(良性前立腺肥大症)とは?
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- 高齢男性に多い病気で、前立腺が大きくなり尿の出が悪くなる状態。
- 主な症状は尿の切れが悪い、頻尿、尿閉(尿が出なくなる)など。
2. 前立腺肥大の治療薬と緑内障の関係
主な治療薬
薬剤名 |
作用 |
緑内障への影響 |
前立腺や尿道の筋肉を緩めて尿の流れを良くする |
眼圧への影響は少なく比較的安全 |
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膀胱の過活動を抑制 |
瞳孔散大を起こし、狭隅角緑内障の急性発作リスクがある |
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5α還元酵素阻害薬(フィナステリドなど) |
前立腺を小さくする |
眼圧にはほとんど影響しない |
3. 前立腺肥大と緑内障の注意点
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- 狭隅角緑内障や閉塞隅角緑内障の患者さんは、抗コリン薬に注意が必要。
抗コリン薬による散瞳で隅角が閉塞しやすくなり、急性発作を起こす可能性がある。 - α1遮断薬は、緑内障患者でも比較的安全に使用可能。
- 前立腺肥大の症状と緑内障の症状は異なるため、自己判断で薬を中止せず必ず医師に相談を。
- 狭隅角緑内障や閉塞隅角緑内障の患者さんは、抗コリン薬に注意が必要。
4. 臨床的なポイント
ポイント |
解説 |
前立腺肥大の薬剤選択 |
緑内障の有無、タイプを確認し、抗コリン薬の使用を慎重に判断 |
緑内障の種類 |
狭隅角の場合は特にリスクが高い |
医療連携 |
泌尿器科と眼科で情報共有を行うことが望ましい |
5. 患者さんへの説明例
「前立腺肥大の治療薬の中には、目の病気(特に緑内障)に影響を与えるものがあります。特に目の中の水の出口が狭い方は、目の圧力が急に上がることがありますので、薬を使う前に眼科での検査が必要です。」
6. まとめ
項目 |
内容 |
前立腺肥大治療薬 |
抗コリン薬は狭隅角緑内障のリスクあり |
α1遮断薬 |
緑内障患者でも比較的安全 |
重要な対応 |
眼科検査、医師との連携、症状観察 |