ICL(有水晶体眼内レンズ)と老眼の関係

2025.09.18

ICL(有水晶体眼内レンズ)老眼の関係について、わかりやすく解説します。

老眼とは?

加齢により水晶体の弾力が失われ、ピントを近くに合わせる力(調節力)が低下する状態。

通常は40歳以降から始まり、手元が見えづらい、目が疲れる、老眼鏡が必要になるなどの症状が現れます。

ICLは老眼を治すことができるか?

➤ 基本的に「できません」。

ICLは近視・遠視・乱視を矯正する手術ですが、老眼の原因である「調節力の低下」には対応できません。

ICLでは「遠くを見る視力」は矯正できますが、近くを見る力(調節力)はそのままです。

ICL手術後に老眼が進行することはある?

老眼は自然な加齢現象なので、ICLを入れていても進行します。

特に「ICLで遠くにピントを合わせた」場合、手元は見えづらくなることが多いです。

そのため40歳以上の方では、ICL手術後も老眼鏡(老視用のメガネ)が必要になる可能性があります。

老眼世代へのICLの選択肢は?

40歳以上でICLを検討する場合、以下の点を考慮します。

選択

解説

ICL + 老眼鏡併用

ICLで遠方視力を矯正し、近見は老眼鏡で補う。

ICLモノビジョン(片眼を遠方、片眼を近方に合わせる) 

特殊な方法。慣れが必要で、万人向けではない。

多焦点眼内レンズ(白内障手術時)

調節力を補うレンズ。ICLではなく、白内障手術で使用。 

今後の展望:老眼用のICLはあるのか?

現在のICL(EVO+など)は単焦点のみです。近く・遠くの両方にピントが合う多焦点ICLは、まだ実用化されていません。

ただし、将来的には多焦点ICLの開発・臨床応用が進む可能性があります。

結論まとめ

質問

回答

ICLは老眼を治せる?

❌ いいえ。調節力を回復させることはできません。

老眼世代にICLは適応ある? 

✅ ありますが、老眼鏡との併用を前提とすることが多いです。 

多焦点ICLはある?

❌ まだ実用化されていません(2025年現在)

患者様向け説明例

「ICLは遠くの視力をしっかり矯正できる手術ですが、老眼には対応していません。そのため40代以降の方がICL手術を受ける場合、近くを見るために老眼鏡が必要になることがあります。」