「失明」という言葉には、医学的な定義、世界的な基準、そして日本の福祉(身体障害者手帳)における基準など、いくつかの異なる定義があります。
単に「視力が0になること」だけが失明ではありません。状況によって基準が異なりますので、整理してお伝えします。
目次
1. WHO(世界保健機関)の基準
世界的な基準では、一般的に以下の数値が「社会的失明」のラインとされています。
良い方の眼の矯正視力が 0.05 未満
ここでのポイントは、眼鏡やコンタクトレンズで矯正した状態での視力であることです。
2. 日本の身体障害者福祉法における基準
日本では、視力によって身体障害者手帳の等級が定められています。
一般的に、生活に著しい支障が出るレベル(広義の失明に近い状態)は以下の等級から始まります。
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- 1級(最も重い): 両眼の視力の和が 0.01 以下
- 2級: 両眼の視力の和が 0.02 以上 0.04 以下
- 3級: 両眼の視力の和が 0.08 以下
- 4級: 両眼の視力の和が 0.12 以下
- 5級: 両眼の視力の和が 0.2 以下
- 6級: 一眼の視力が 0.02 以下、他眼の視力が 0.6 以下 で、両眼の視力の和が 0.2 を超えるもの
3. 医学的な「失明」の定義
医学的に厳密な意味での「失明」は以下の2つに分けられることが多いです。
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- 医学的失明(光覚なし): 視力が0で、明暗すら全くわからない状態。
- 光覚弁(こうかくべん): 明暗はわかるが、目の前の手の動きなどはわからない状態。
重要な注意点
「矯正視力」が基準です
裸眼視力(眼鏡なしの状態)が0.01であっても、眼鏡をかけて1.0見えるのであれば、医学的にも社会的にも「失明」とは言いません。
あくまで「最大限矯正しても見えない」状態を指します。
「視野(見える範囲)」も関係します
視力が良くても、見える範囲(視野)が極端に狭くなっている場合(視野欠損)も、視覚障害として認定されることがあります。
視力が低い原因には、病気による失明だけでなく、成長過程で視力が伸びなかった弱視が関係することもあります。詳しくは弱視をご覧ください。



























