目を温めると眼圧は下がる?

2026.01.08

目を温めることが直接的に眼圧を下げるかどうかについては、「医学的に確実な治療法ではないが、間接的に良い影響を与える可能性はある(ただし注意が必要)」というのが結論です。

ネットや書籍で見かける「目を温めると眼圧が下がる」という説と、医学的な事実関係を整理して解説します。

1. 「目を温めると下がる」と言われる理由

  • 目薬の効きが良くなる:目を温めることで涙の質(油分)が改善し、ドライアイが解消されると、「緑内障の点眼薬」が目に留まりやすくなり、結果として薬の効果(眼圧下降)が十分に発揮されるという考え方です。
  • 血流改善とリラックス:目の周りを温めると副交感神経が優位になり、全身の緊張が解けます。ストレスや高血圧は眼圧を上げる要因になるため、リラックスすることで間接的に眼圧の上昇を抑える効果が期待されます。

2. 医学的な事実と注意点

一方で、単に「熱を加えれば眼圧が下がる」という単純な物理現象ではありません。

逆に冷やすことで房水(目の中の水)の産生が減り、一時的に眼圧が下がるという研究データもあります。

緑内障や高眼圧の方が目を温める際には、以下の決定的な注意点があります。

【最重要】

眼球を押してはいけない 市販のホットアイマスクや蒸しタオルを使う際、上から手で押さえつけたり、マッサージをしてはいけません。 眼球を圧迫すると、物理的に眼圧が急激に上昇します。これは視神経にとって最も危険な行為です。

  • OK: まぶたの上に優しく乗せるだけ。
  • NG: グイグイ押す、重たいものを乗せる。

3. 温めることのメリット(眼圧以外)

眼圧への直接的な効果は限定的かもしれませんが、目を温める(温罨法)こと自体は以下の点で非常に推奨されています。

  • 眼精疲労の解消:毛様体筋のコリをほぐし、ピント調節機能を回復させます。
  • ドライアイの改善:マイボーム腺(油分の出口)の詰まりを溶かし、目の乾燥を防ぎます。
  • 視神経への血流:緑内障では「眼圧」だけでなく「視神経の血流」も重要です。温めることで血流が良くなることは、視神経の保護にとってプラスに働くと考えられています。

まとめ

  • 直接下げる特効薬ではない:温めるだけで眼圧が劇的に下がるわけではありません。あくまで「補助的なケア」です。
  • 薬の補助にはなる:ドライアイが治ることで点眼薬が効きやすくなる可能性はあります。
  • 絶対に押さない:圧迫だけは避けてください。

もし「眼圧を下げたい」という目的でケアをお探しでしたら、まずは処方されている点眼薬を確実にさすことが最優先ですが、補助として「目を温めてリラックスする(かつ押さない)」ことは、目の健康全体にとって良い習慣と言えます。

今の目の状態で温めても問題ないか(炎症性の緑内障など例外もあるため)、次回の診察時に主治医に「ホットアイマスクを使っても良いか」を一言確認すると最も安心です。

 

目を温めることは、眼圧治療の代わりにはなりませんが、目の緊張を和らげるケアの一つです。目の疲れや不調との関係については、眼精疲労の記事も参考になります。