アカントアメーバ角膜炎(Acanthamoeba keratitis)

2026.02.06

水・土・ほこりなど自然界にいるアカントアメーバが角膜(黒目)に感染して起こる、まれに重くなり得る角膜炎です。

とくにコンタクトレンズ装用者で多く、治療が長期化しやすいのが特徴です。

こんな症状があれば要注意(早め受診)

特に「コンタクトをしてる」「水(シャワー・プール・温泉・海)に触れた」がある場合は強く疑います。

  • 目の強い痛み(見た目の充血より痛みが強いことがある)
  • 充血まぶしさ涙が出る
  • かすみ/視力低下
  • ゴロゴロ感、目ヤニ(必ずしも多くない)

どうして起こる?(原因とリスク)

主なきっかけは「レンズに付いたアメーバが角膜に貼り付く」パターンです。

リスクを上げやすい行動は、以下の4点あります。

  • レンズをつけたままシャワー・入浴・水泳
  • 水道水でレンズやケースをすすぐ/保存液を作る
  • 洗浄不足、こすり洗い不足、ケースの不衛生、保存液の継ぎ足し
  • 長時間装用・寝る(連続装用) など

※「MPS(1本で洗浄・すすぎ・保存)」は便利ですが、アカントアメーバに十分効きにくいことが指摘されています(こすり洗い+適切な消毒が重要)。

検査・診断(眼科で何をする?)

疑わしい場合、早期に“普通の細菌性角膜炎と違う”視点で評価します。

  • 角膜所見(例:放射状の神経炎、リング状浸潤などがヒントになること)
  • 角膜擦過物での検査(培養、PCRなど)、施設によっては共焦点顕微鏡で嚢子を確認することもあります(方針は病院で異なります)。

治療(ざっくり)

治療は点眼を高頻度で開始し、長期間(数週間〜数か月)続くことがあります。

早く始めるほど予後が良いと言われます。

一般に中心となるのは:

…のような抗アメーバ点眼の組み合わせ(施設・国で用法は差があります)。

重症化・瘢痕化した場合は角膜移植など外科治療が検討されることもあります。

ステロイド点眼は状況によって扱いが難しく、自己判断で使うのは危険です。治療中の使い方は主治医の指示が必須です。

予防(コンタクトの人はここだけ覚えて)

  • 水に触れない:つけたままシャワー・入浴・プール・温泉・海は避ける
  • 水道水でレンズ/ケースをすすがない(必ず専用液)
  • 毎回こすり洗い+新しい保存液(継ぎ足ししない)
  • ケースは洗って乾燥、定期交換
  • 可能なら1日使い捨てを検討、つけたまま寝ない

アカントアメーバ角膜炎は、正しいコンタクトレンズの使い方を知っていれば防げる可能性が高い感染症です。

特にコンタクトレンズを使い始めたばかりの方や、自己流で使用している方は、基本的な注意点を一度確認しておくことが重要です。 コンタクトレンズが初めての方へ で、基本的な使い方と注意点をまとめています。

今すぐの対処(もし症状があるなら)

  • コンタクトは外して持参(レンズ・ケースも)
  • できれば受診まで自己判断で市販点眼だけで様子見しない(遅れると治りにくくなります)
  • 強い痛み/まぶしさ/視力低下があれば、早め(当日〜翌日)に眼科へ