チン小帯断裂とは?

2026.03.03

チン小帯断裂は、水晶体を支える「チン小帯(Zinn小帯、毛様小帯)」が切れたり緩んだりした状態です。

部分的に切れると水晶体亜脱臼(subluxation)、広範囲またはほぼ完全に切れると水晶体脱臼(luxation)につながります。

外傷では、鈍的外傷で眼球赤道方向に急な伸展が起こり、小帯が損傷して生じます。

 

原因

チン小帯断裂の原因は、外傷が代表的ですが、

ほかに

などの全身疾患でも起こります。

偽落屑では小帯不安定のため、自然な水晶体偏位や白内障手術合併症のリスクが上がります。

症状・所見

チン小帯断裂の症状や所見としては、

  • 力低下
  • 単眼複視
  • 見え方の揺れ

が典型で、診察では

などが手がかりです。

外傷例では、眼痛眼圧上昇を伴うこともあります。

臨床的に重要なのは、

  • 後嚢破損
  • 硝子体脱出
  • 水晶体偏位
  • IOL偏心/脱臼

のリスクが上がることです。

外傷性の水晶体偏位を放置すると、続発緑内障、角膜内皮障害・角膜代償不全、ぶどう膜炎につながることがあります。

治療

チン小帯断裂の治療は程度で変わります。

軽度で視力が保てるなら屈折矯正で経過を見ることがありますが、

  • 視力が出ない
  • 前房に偏位して角膜内皮に触れる
  • 続発緑内障
  • ぶどう膜炎
  • 硝子体腔への脱臼

などでは手術適応になります。

白内障手術中・予定時は、小範囲(おおむね3〜4時間未満)の限局した小帯障害ならCTR(capsular tension ring)が適応になりやすく、4時間以上の小帯欠損や進行性小帯障害ではCionni ring(強膜固定CTR)capsular tension segment(CTS)capsular hooksなど、より強い支持デバイスが検討されます。

なお、嚢が裂けている場合は通常のCTRは禁忌です。

早めの受診が必要なサイン

    早めの受診が必要なサインは、

    • 急な視力低下
    • 強い眼痛
    • 眼圧上昇
    • 前房への水晶体偏位
    • 角膜浮腫

    です。

    これらがある場合は、角膜や視神経に二次障害を起こしうるため、早めの眼科評価が重要です。

    外傷や小帯障害に伴う水晶体の変化については「白内障」もあわせてご覧ください。