眼瞼蜂窩織炎とは?(がんけんほうかしきえん)

2026.03.09

眼瞼蜂窩織炎と眼窩蜂窩織炎

眼瞼蜂窩織炎(がんけんほうかしきえん)とは、まぶたに細菌感染が起こり、赤く腫れる病気です。

外傷や虫刺され、皮膚からの感染などがきっかけで起こることがあります。

 

左側が眼瞼蜂窩織炎(Preseptal cellulitis)右側が眼窩蜂窩織炎(Orbital cellulitis)

 

    • 腫れや赤みはまぶたのみに限局
    • 眼球運動障害や突出はなし
    • 比較的軽症で、抗菌薬の内服などで治療可能
  • 右の図(眼窩蜂窩織炎 がんかほうかしきえん)

眼窩蜂窩織炎は、炎症が目の奥(眼窩)まで広がる重い感染症です。
副鼻腔炎などから感染が広がることもあり、早期治療が重要になります。

 

      • まぶたの腫れに加え、眼窩内まで炎症が進展
      • 赤みの範囲が広く、より強い腫脹
      • 眼球運動時の痛み・眼球突出・視力低下を伴うことがある
      • 入院のうえ抗菌薬点滴、場合によっては手術的治療が必要
  • 患者さん向け(やさしい解説)

まぶたが赤く腫れる病気には、眼瞼蜂窩織炎と眼窩蜂窩織炎の2つがあります。

症状や重症度、治療方法が大きく異なるため、見分けることが重要です。

項目

眼瞼蜂窩織炎(がんけんほうかしきえん)

眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)

炎症の場所 

まぶたの表面に限られる

眼の奥(眼窩)にまで広がる

主な症状

まぶたの腫れ、赤み、痛み

腫れ・赤み+目の奥の痛み、眼球が飛び出す、視力低下 

重症度

軽めの感染症

命や視力に関わる危険な感染症

原因

外傷、虫刺され、皮膚からの感染

副鼻腔炎(蓄膿症)から広がることが多い

治療

内服抗菌薬で治ることが多い

入院・点滴抗菌薬、場合によっては手術が必要

注意点

放置せず早めに受診

早期治療が遅れると失明や合併症のリスク

  • 医療従事者向け(専門的比較)

医療的には、眼窩中隔(orbital septum)より前か後ろかで区別されます。

診断にはCTなどの画像検査が用いられることもあります。

  • 項目

    眼瞼蜂窩織炎(Preseptal cellulitis)

    眼窩蜂窩織炎(Orbital cellulitis)

    解剖学的位置

    眼窩中隔(orbital septum)の前方

    眼窩中隔の後方(眼窩内容)

    病因

    外傷、皮膚感染、虫刺され

    篩骨洞炎を中心とした副鼻腔炎の波及が最多

    主な起炎菌

    黄色ブドウ球菌、連鎖球菌

    インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、嫌気性菌

    臨床症状

    腫脹・発赤・圧痛、発熱(軽度)

    腫脹・疼痛・発赤に加え、眼球突出、眼球運動障害、複視、視力低下

    画像所見

    CTで眼窩内進展なし

    CT/MRIで眼窩脂肪・外眼筋・膿瘍形成

    治療

    外来で経口抗菌薬投与(セファレキシン、アモキシシリンなど)

    入院・広域抗菌薬点滴(セフトリアキソン+メトロニダゾール/ピペラシリン・タゾバクタム+バンコマイシン等)、膿瘍例は耳鼻科・脳外科連携で排膿術

    合併症

    基本的に重篤化しにくい

    視神経症、海綿静脈洞血栓症、髄膜炎、脳膿瘍