前頭筋吊り上げ術とは、重い眼瞼下垂(がんけんかすい)に対して、まぶた(瞼板)を額の筋肉(前頭筋)と連結し、眉を上げる力で上まぶたを開けやすくする手術です。
英語では frontalis suspension または frontalis sling と呼ばれます。

手術の適応
主な適応は、上眼瞼挙筋の機能が弱い症例です。
特に、挙筋機能が 4 mm以下 では第一選択になりやすく、先天性眼瞼下垂でよく用いられます。
挙筋機能がある程度残っている場合は、通常は 挙筋前転術/挙筋短縮系の手術が検討されます。
使用される材料
手術では次のような材料が用いられます。
- 自家大腿筋膜(じかだいたいきんまく)
- 保存筋膜
- シリコーンロッド
- ePTFE(Gore-Tex)
- 非吸収糸
自家筋膜は再発が少ないとされる一方、採取部の創が増えます。
シリコーンは調整しやすい反面、再発や緩みが課題になることがあります。
術後の特徴
術後は前頭筋で開瞼するため、額に力を入れて目を開ける感覚になります。
また、術後は 兎眼(目が閉じにくい) や 夜間の閉瞼不全 が起こりやすく、点眼や眼軟膏などによる 角膜保護がとても重要です。
主な合併症
主な合併症には次のようなものがあります。
- 低矯正・過矯正
- 左右差
- 感染
- 材料の露出
- 乾燥
- 露出角膜症
- 兎眼
術後早期は腫れの影響もあるため、開瞼幅の最終評価は少し時間を置いて行います。
小児での注意点
小児では、下垂が強く瞳孔を覆う場合、弱視や視機能発達に影響する可能性があります。
そのため、手術時期の判断が大切です。
眼瞼下垂の症状や一般的な手術方法については、下記動画【眼瞼下垂手術】症状、治療、リスク【美容整形とは違います】でも詳しく解説しています。



























