結論から申し上げますと、一度濁ってしまった水晶体が自然に治ったり、薬だけで元通りに透明に戻ったりすることはありません。
白内障を根本的に「治す(濁りを取って視力を回復させる)」唯一の方法は、手術となります。
現状の治療法とそれぞれの役割について、簡潔にまとめました。
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点眼薬・内服薬の役割(治すものではない)
- 目的: 進行を「遅らせる」こと。
- 効果: 初期の段階で発見された場合、点眼薬などで進行のスピードを緩めることはできますが、すでに濁ってしまった部分を透明に戻す効果はありません。
- 注意: あくまで現状維持や悪化防止が目的なので、治療を続けても視力が劇的に回復するわけではありません。
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手術の役割(唯一の根治治療)
- 目的: 濁った水晶体を取り除き、「視力を回復させる」こと。
- 方法: 濁った水晶体を超音波などで砕いて取り出し、代わりに人工のレンズ(眼内レンズ)を挿入します。
- 効果: これにより、再び光が目の中に入るようになり、視力が回復します。現在は技術が進歩しており、短時間で終わる安全性の高い手術として確立されています。
どう判断すべきか?
日常生活に支障(まぶしい、文字が読みづらい、視界がかすむなど)が出てきた時が、手術を検討するタイミングと言われています。
もし「最近見えにくい」と感じていらっしゃる場合は、一度眼科で「進行具合」と「手術の必要性」について相談されることをお勧めします。
なお、白内障は初期の段階では自覚しにくいこともあります。見え方の変化から気づくためのセルフチェックについては、下の動画で医師が解説しています。






















