白内障と診断されたり、その疑いがある場合でも、焦る必要はありません。 白内障は加齢とともに多くの人に起こる自然な変化であり、現在の医療では治療法が確立されています。
現在の進行具合によって対処法が異なりますので、段階別に対処すべきポイントをまとめました。
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まずは眼科を受診する(自己判断しない)
「見えにくい」「かすむ」といった症状が白内障によるものなのか、他の目の病気(緑内障や網膜の病気など)によるものなのかを確定させる必要があります。
- 初期の場合: まだ手術の必要がない段階であれば、点眼薬(進行予防)で様子を見ることが一般的です。
- 進行している場合: 手術の時期や方法について医師と相談します。
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初期・軽度の場合の対処法
日常生活に支障がないレベルであれば、すぐに手術をする必要はありません。進行を遅らせるケアを行います。
- 点眼薬: 医師から処方される「白内障の進行を遅らせる目薬」を毎日継続します。(※点眼薬で白内障が治るわけではありません)
- 紫外線対策: 紫外線は白内障を進行させる原因になります。外出時はサングラスや帽子を利用しましょう。
- 生活環境の調整: 手元の明かりを増やす、文字を大きくするなどして見えにくさを補います。
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手術を検討すべきタイミング
白内障は薬では完治しないため、最終的に視力を回復させるには「手術」が必要です。以下のような状態になったら手術を検討する目安です。
- 日常生活で不便を感じる: 新聞やスマホの文字が読みづらい、段差が見えにくいなど。
- まぶしさが強い: 対向車のライトや太陽光が異常にまぶしく感じる。
- 視力が低下した: 眼鏡を作り変えても視力が出ない。
- 免許更新が近い: 視力が基準(両眼で0.7など)を下回る可能性がある場合。
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手術について知っておくべきこと
白内障の手術は、国内で年間多数行われている安全性の高い手術です。
- 手術の内容: 濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の「眼内レンズ」を入れます。
- 時間と入院: 手術自体は片目10〜20分程度で終わることが多く、日帰り手術も普及しています(病院の方針や体調により入院する場合もあります)。
- 費用: 健康保険が適用されます(単焦点レンズの場合)。多焦点レンズ(老眼対策なども含む)を選ぶ場合は、選定療養や自由診療となり費用が上がります。
まとめ
まずは眼科で現在の進行度をチェックしてもらうことが第一歩です。
「まだ大丈夫だろう」と放置して重症化すると、手術が難しくなることもあるため、定期検診(3ヶ月〜半年に1回など)を受けるようにしてください。
もし現在、「急に見えにくくなった」「痛みがある」などの症状がある場合は、白内障以外の急性の病気の可能性もあるため、早急に受診することをおすすめします。
手術を急がなくてよいケースや、経過観察という選択肢については、「白内障はすぐに手術が必要な病気ではありません」で眼科専門医の視点から詳しく解説しています。






















