結論から言うと、スマートフォンなどのブルーライト(青色光)は白内障の直接的な原因にはなりません。
ただし、長期的に眼に与える影響を完全に無視できるわけではないため、注意が必要です。
白内障とは
白内障は、水晶体(レンズ)が加齢や紫外線、糖尿病、ステロイド薬などの影響で濁る病気です。
主な原因は「紫外線(特にUV-B)」であり、これは波長が約280〜315nmの光です。
一方、ブルーライトは波長400〜500nm程度と紫外線よりも長く、エネルギーは弱くなります。
ブルーライトの性質
ブルーライトは可視光の中ではエネルギーが比較的高い光です。
角膜や水晶体を通過しやすく、網膜(特に黄斑部)まで届くことが知られています。
そのため、ブルーライトは主に網膜(とくに加齢黄斑変性など)への影響が懸念されています。
白内障との関係
これまでの疫学研究や動物実験でも、ブルーライト単独で白内障を起こす明確な証拠はありません。
ただし、高強度の青色光を長時間照射した場合に、水晶体内のタンパク質が酸化ストレスを受けるという実験結果もあります。
つまり、理論的には白内障進行を助長する可能性はあるが、日常のスマホ使用レベルではほとんど問題ないというのが現在の医学的見解です。
予防のポイント
スマホのブルーライトが白内障の主因ではないとはいえ、眼精疲労や睡眠リズムの乱れには関係します。
次のような対策はおすすめです。
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対策 |
内容 |
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ブルーライトカットモード |
iPhoneやAndroidの「Night Shift」「Eye Comfort」などを活用 |
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室内照明とのバランス |
暗い中で強い画面を見るのを避ける |
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休憩習慣 |
1時間ごとに10分休む「20-20-20ルール」も有効 |
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サングラス |
屋外では紫外線カットレンズが白内障予防に最も重要 |
まとめ
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要点 |
内容 |
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白内障の主な原因 |
紫外線、加齢、喫煙、糖尿病など |
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ブルーライトの影響 |
主に網膜(黄斑)への酸化ストレス |
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白内障への影響 |
通常使用レベルではほぼなし |
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対策 |
紫外線対策・眼精疲労予防・生活リズム調整 |






















