白内障手術後に眼内レンズが本来の位置からずれてしまう状態は、専門的には「眼内レンズ偏位(へんい)」や「眼内レンズ脱臼(だっきゅう)」と呼ばれます。
ずれの程度によって自覚症状は異なりますが、代表的な症状は以下の通りです。
1. 見え方の変化(主な症状)
レンズが中心からずれたり傾いたりすることで、ピントが合わなくなり、見え方に異常が現れます。
- 視力の低下:急に視力が落ちた、眼鏡をかけてもよく見えない。
- 乱視の発生・悪化:物が二重・三重にダブって見える(単眼複視)。
- ゆがみ:物がゆがんで見える。
- グレア・ハロー:光が異常にまぶしく感じる、光の周りに輪がかかって見える。
- レンズのふちが見える:視界の端に三日月形の影や、キラキラした光(レンズの縁)が見える。
2. その他の症状
飛蚊症のような症状: 黒い点や浮遊物が見える。
揺れて見える:眼球を動かしたときに、中のレンズが揺れるため、視界がプルプルと揺れる感覚がある(レンズ震盪)。
3. 注意が必要なケース(緊急性が高い)
レンズが完全に外れて目の奥(硝子体側)に落ちてしまった場合(眼内レンズ落下)は、以下のような急激な変化が起こることがあります。
- 突然、何も見えなくなる(強いぼやけ): レンズがない状態になるため、ピントが全く合わなくなります。
- 眼痛・充血:落ちたレンズが網膜やその他の組織に当たり、炎症や網膜剥離、緑内障発作を起こしている可能性があります。
原因と対処
原因
レンズを支えている袋(水晶体嚢)や、それを吊っている糸(チン小帯)が、加齢、目のこすりすぎ、外傷などで弱くなることが主な原因です。手術から数年〜数十年経ってから起こることもあります。
対処
自然に治ることはありません。 ずれが軽度で視力に影響がなければ経過観察となることもありますが、生活に支障がある場合や、完全に落ちてしまった場合は、レンズを縫い付けるなどの再手術が必要になります。
もし「見え方がおかしい」と感じる場合は、早めに眼科を受診してレンズの位置を確認してもらってください。
白内障手術後の見えづらさは、眼内レンズのずれだけでなく「後発白内障」が原因となることもあります。症状や治療の違いについては、後発白内障の記事で詳しく解説しています。






















