白内障手術は、多くの患者さまが 「ほとんど痛みを感じなかった」 とおっしゃる手術です。
これは、手術の際に 点眼麻酔(目薬の麻酔) を使用するため、手術中の痛みを抑えられるからです。以下に、白内障手術中とその後の痛みについて詳しく説明します。
1. 手術中の痛み
手術自体は、局所麻酔を使用して行います。麻酔は点眼薬や注射で行い、目の周りを麻痺させるため、手術中に痛みを感じることはありません。麻酔が効いている状態では、目の周りに触れられている感覚はあっても、痛みは感じません。
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- 点眼麻酔
手術前に点眼薬で麻酔をかけ、痛みを感じないようにします。点眼麻酔は目に注入するだけなので、手術中の痛みはほとんど感じません。 - 局所麻酔
まれに、麻酔の効果が十分でない場合があるかもしれませんが、その場合は追加の麻酔が行われるので、ほとんどの場合、痛みを感じることはありません。
- 点眼麻酔
手術中に、光を感じたり、手術器具が目に触れる感覚があることはありますが、痛みを感じることはほぼないため、リラックスして手術を受けることができます。
2. 手術後の痛み
手術後も、通常は痛みを感じることは少ないです。しかし、術後に一時的に次のような症状が出ることがあります。
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- 軽い違和感や目の疲れ
手術直後や翌日に目の中に違和感や軽い不快感を感じることがありますが、これは通常、数日以内に治まります。 - 目の乾き
手術後は目の乾きやかすみ目を感じることがあります。これは術後の回復過程でよく見られる症状で、数週間で改善します。 - 軽い痛みや鋭い感じ
まれに、手術後数日間にわたって目に軽い痛みを感じることがありますが、ほとんどの場合、点眼薬や処方された薬で十分に対処できます。
- 軽い違和感や目の疲れ
しかし、白内障の進行度や目の状態によって、感じる違和感の程度が異なることがあります。ここでは、軽度・中等度・重度の白内障 に分けて、手術中や手術後の痛みについて詳しくご説明します。
① 軽度の白内障(初期段階)
✅ 手術中の痛み:ほぼなし
✅ 手術後の痛み:ほとんどなし~軽い違和感
- 点眼麻酔がしっかり効くため、手術中の痛みはほぼゼロです。
- 軽い圧迫感や触られているような感覚を感じることはありますが、不快に思うほどではありません。
- 手術後は目に少し異物感を感じることがありますが、多くの場合半日~1日ほどで落ち着きます。
② 中等度の白内障(進行した白内障)
✅ 手術中の痛み:ごくわずかに違和感を感じることがある
✅ 手術後の痛み:軽いしみる感じやゴロゴロ感が出ることも
- 水晶体(目の中のレンズ)が硬くなっているため、超音波で砕く際に眼球内にわずかな刺激を感じることがあります。
- ただし、麻酔が効いているため強い痛みを感じることはありません。
- 手術後、目に軽いしみる感じやゴロゴロ感を覚えることがありますが、通常は1~2日ほどで自然に治ります。
③ 重度の白内障(かなり進行した白内障)
✅ 手術中の痛み:少し圧迫感や刺激を感じることがある
✅ 手術後の痛み:少し長引くことがあるが、ほとんどの場合1週間以内に落ち着く
- 水晶体が非常に硬くなっているため、超音波のエネルギーを強くする必要があり、その影響で軽い圧迫感や振動を感じることがあります。
- ごくまれに、点眼麻酔だけでは痛みを感じることがあるため、その場合は追加の麻酔を行って対応します。
- 手術後、目に軽い炎症(充血や痛み)が出ることがありますが、通常は1週間以内に落ち着きます。
手術後の痛みを軽減するためのポイント
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- 点眼薬:手術後、眼科医から処方される点眼薬を使用することで、炎症や痛みを軽減できます。
- 適切な休養:術後は目を休ませることが大切です。過度に目を使うと疲れがたまり、違和感を感じることがあります。
- 定期的な検診:術後の経過をチェックするために定期的に眼科を訪れ、何か問題があれば早期に対処します。
まとめ
- 🔹 軽度の白内障:手術中・手術後ともに ほぼ痛みなし
- 🔹 中等度の白内障:手術中の刺激はごくわずか、手術後に 軽いゴロゴロ感があることも
- 🔹 重度の白内障:手術中に 軽い圧迫感、手術後は 軽い炎症が出ることもあるが1週間以内に落ち着く
- 白内障手術は 「痛みが少ない手術」 ですが、不安なことがあれば遠慮なくご相談ください。患者さまに安心して手術を受けていただけるよう、しっかりサポートいたします。