ものもらい(麦粒腫)に目薬が効きにくいのはなぜ?

ものもらいとは?

「ものもらい」とは、まぶたにある脂や汗の分泌腺に細菌が感染して炎症を起こす病気です。医学的には「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と呼ばれます。
主な症状は以下のとおりです:

    • まぶたの腫れ
    • 赤み
    • 痛み
    • しこり(触るとコリコリする)
    • 目やに
    多くは黄色ブドウ球菌という常在菌が原因です。

なぜ目薬が効きにくいの?

麦粒腫は、まぶたの中にある「マイボーム腺」や「Zeis腺」といった皮脂腺の奥深くで炎症が起きるため、目薬(点眼薬)では届きにくいのです。

目薬が効きにくい主な理由:

理由

説明

1. 感染部位が皮膚の奥

目薬は表面の粘膜にしか届かないため、まぶたの中の腺には十分届かない。

2. 化膿が進行していると膿がたまっている

膿の袋(膿瘍)ができると、抗菌薬が届かず、薬が効きにくくなる。

3. まばたきで薬がすぐに流れてしまう

有効成分が患部にとどまる時間が短い。

効果的な治療方法

1. 内服薬(抗菌薬)

感染が進行している場合や、腫れがひどい場合には、飲み薬の抗菌薬(抗生物質)が処方されます。
内服薬は血液を通じてまぶたの中にある感染部位まで届くため、点眼薬よりも効果的な場合があります。

よく使われる抗菌薬:
    • セフェム系(例:セフゾン、フロモックス)
    • マクロライド系(例:クラリス、ジスロマック)

2. 切開・排膿

腫れがひどく、膿がたまっている場合には、局所麻酔をして小さく切開し、膿を出す処置が必要になることがあります。
これは短時間で終わる小手術で、多くは外来で行われます。

切開が必要なケース:

    • 膿がたまって硬く腫れている
    • 痛みが強い
    • 抗菌薬だけでは改善しない
    • 処置後は腫れや痛みが急速に軽くなることが多いです。

3. 慢性化した場合:手術でしこりを除去

一部のものもらいは、急性期の炎症が治まったあとも「しこり」が残ることがあります。これは「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」という別の状態に移行している可能性があります。

霰粒腫とは:

    • 感染はないが、脂がたまってしこりになった状態
    • 痛みはないことが多い
    • 自然に消えることもあるが、数週間以上残る場合は切除手術が検討される
     

まとめ:目薬だけで様子を見ていいのは初期の軽症例だけ

状態

推奨される対応

赤み・腫れが少しだけ

清潔にして、点眼薬を使用。数日で改善することも。

痛み・腫れが強い

内服薬の追加が必要。眼科を受診。

しこりが大きく、治らない

切開または手術が必要な可能性あり。専門医へ。

メッセージ

ものもらいは身近な病気ですが、放置すると悪化したり再発を繰り返したりすることもあります。市販の目薬では治りにくい場合や、繰り返す場合は、早めに眼科での診察をおすすめします。適切な治療で、早く楽になりますよ。

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