角膜内皮細胞(かくまくないひさいぼう)

2026.02.25

角膜内皮細胞(かくまくないひさいぼう)は、黒目(角膜)のいちばん内側にある、1層だけの細胞です。

見た目は地味ですが、角膜の透明さを守るとても重要な細胞です。

何をしている細胞?

角膜内皮細胞の主な仕事は2つです。

① 角膜に水がたまりすぎないようにする

角膜は少し水分がある方がいいのですが、増えすぎると白くにごります。

角膜内皮細胞は、余分な水分をくみ出すポンプのように働いています。

② 角膜の透明性を保つ

このポンプ機能のおかげで、角膜は透明なままでいられます。

つまり、角膜内皮細胞が弱ると…

  • 角膜がむくむ(浮腫)
  • かすむ
  • まぶしい
  • 視力が下がる

という症状が出やすくなります。

大事なポイント(とても重要)

人の角膜内皮細胞は、ほとんど増えません。

皮膚みたいにどんどん再生する細胞ではありません。減った細胞は、残った細胞が広がってカバーします(大きくなって埋める感じ)。

なので、一度減ると元に戻りにくいのが特徴です。

どうやって調べるの?

眼科では、スペキュラーマイクロスコピー(角膜内皮細胞検査)で調べます。

よく見る項目:

  • 細胞密度(CD):1mm²あたりの細胞数
  • 六角形率(HEX):細胞の形が整っているか
  • CV(変動係数):細胞の大きさのバラつき

当院では、角膜内皮細胞を安全管理の重要な指標として重視しています。

実際にどのような機械で検査しなぜ大切なのかについては、下記動画【白内障手術】自分にあうクリニックの見つけ方は?顕微鏡手術8,000件の実績をもつ先生が、失敗しないクリニックの見つけ方を伝授します!で詳しく解説しています。

 

 

細胞数の目安(ざっくり)

個人差はありますが、一般的には:

  • 若い人:約 2500〜3000個/mm² 前後
  • 年齢とともに少しずつ減る
  • 1000個/mm²前後以下だと要注意(手術時リスクが上がる)
  • かなり少ないと角膜がむくみやすくなる

※ 数字だけでなく、形(HEX, CV)や角膜の状態も一緒に判断します。

どんなときに減るの?

角膜内皮細胞が減る原因は、たとえば:

  • 加齢
  • 白内障手術(特に難症例)
  • 眼内の炎症
  • 緑内障
  • コンタクトの影響(長期・不適切使用)
  • 角膜内皮ジストロフィー(フックスなど)
  • 外傷
  • 眼内レンズや前房内操作の影響

減るとどうなる?

初期は無症状のことも多いですが、進むと:

  • 朝にかすむ(夕方少しマシになることも)
  • まぶしい
  • 視力低下
  • 角膜浮腫
  • 水疱性角膜症(重症)

が起こることがあります。

治療は?

原因や重症度で変わります。

軽い段階

  • 経過観察
  • 点眼
  • 原因のコントロール(炎症・眼圧など)

重い段階(角膜がむくんで透明性が保てない)

  • 角膜内皮移植(DMEK / DSAEK など)

角膜内皮細胞は、黒目の透明さを守る“排水ポンプ”の細胞。減ると戻りにくいので、とても大切です。