角膜内皮細胞(かくまくないひさいぼう)は、黒目(角膜)のいちばん内側にある、1層だけの細胞です。
見た目は地味ですが、角膜の透明さを守るとても重要な細胞です。
目次
何をしている細胞?
角膜内皮細胞の主な仕事は2つです。
① 角膜に水がたまりすぎないようにする
角膜は少し水分がある方がいいのですが、増えすぎると白くにごります。
角膜内皮細胞は、余分な水分をくみ出すポンプのように働いています。
② 角膜の透明性を保つ
このポンプ機能のおかげで、角膜は透明なままでいられます。
つまり、角膜内皮細胞が弱ると…
- 角膜がむくむ(浮腫)
- かすむ
- まぶしい
- 視力が下がる
という症状が出やすくなります。
大事なポイント(とても重要)
人の角膜内皮細胞は、ほとんど増えません。
皮膚みたいにどんどん再生する細胞ではありません。減った細胞は、残った細胞が広がってカバーします(大きくなって埋める感じ)。
なので、一度減ると元に戻りにくいのが特徴です。
どうやって調べるの?
眼科では、スペキュラーマイクロスコピー(角膜内皮細胞検査)で調べます。
よく見る項目:
- 細胞密度(CD):1mm²あたりの細胞数
- 六角形率(HEX):細胞の形が整っているか
- CV(変動係数):細胞の大きさのバラつき
当院では、角膜内皮細胞を安全管理の重要な指標として重視しています。
実際にどのような機械で検査しなぜ大切なのかについては、下記動画【白内障手術】自分にあうクリニックの見つけ方は?顕微鏡手術8,000件の実績をもつ先生が、失敗しないクリニックの見つけ方を伝授します!で詳しく解説しています。
細胞数の目安(ざっくり)
個人差はありますが、一般的には:
- 若い人:約 2500〜3000個/mm² 前後
- 年齢とともに少しずつ減る
- 1000個/mm²前後以下だと要注意(手術時リスクが上がる)
- かなり少ないと角膜がむくみやすくなる
※ 数字だけでなく、形(HEX, CV)や角膜の状態も一緒に判断します。
どんなときに減るの?
角膜内皮細胞が減る原因は、たとえば:
減るとどうなる?
初期は無症状のことも多いですが、進むと:
- 朝にかすむ(夕方少しマシになることも)
- まぶしい
- 視力低下
- 角膜浮腫
- 水疱性角膜症(重症)
が起こることがあります。
治療は?
原因や重症度で変わります。
軽い段階
- 経過観察
- 点眼
- 原因のコントロール(炎症・眼圧など)
重い段階(角膜がむくんで透明性が保てない)
- 角膜内皮移植(DMEK / DSAEK など)
角膜内皮細胞は、黒目の透明さを守る“排水ポンプ”の細胞。減ると戻りにくいので、とても大切です。



























