挙筋前転術(きょきんぜんてんじゅつ)とは、眼瞼下垂の手術の一つで、ゆるんだ眼瞼挙筋腱(がんけんきょきんけんまく)(または挙筋)を前方へ引き出して、瞼板に縫い付け直すことで、上まぶたを開きやすくする方法です。
日本形成外科学会でも、加齢性眼瞼下垂では「腱膜を瞼板に縫い付ける手術」として説明されています。
適応(どんな人に行う手術か)
主な適応は、特に加齢性(腱膜性)眼瞼下垂で、挙筋機能がある程度保たれているケースです。
EyeWikiでは、levator advancement / resection は挙筋機能が良好〜中等度(>5 mm)の症例に向くとされています。
手術の流れ
手術の流れは、通常、上眼瞼のしわのラインで切開し、挙筋腱膜を見つけて、前方へ調整しながら瞼板へ仮固定・本固定して、まぶたの高さと形を整える、という流れです。
術中に座位や開瞼状態で高さや左右差を微調整することがあります。
眼瞼下垂の症状や治療については、下記動画でもわかりやすく解説しています。
【眼瞼下垂手術】症状・治療・リスクについての解説はこちらをご覧ください。
期待できる効果
期待できる効果は、
- まぶたが上がって視野が広がる
- 額の力みが減って眉を上げる癖や疲れ感が軽くなる
- 見た目の眠たそうな印象が改善する
といった点です。
眼瞼下垂自体が視野障害や額の緊張に関係するとされています。
注意点・合併症
注意点・合併症としては、
- 過矯正 / 低矯正
- 左右差
- 兎眼(閉じにくさ)
- ドライアイ悪化
- 角膜の乾燥による露出性角膜障害
- 腫れ、出血、感染
などがあります。
EyeWikiでも、左右対称は簡単ではないこと、ドライアイ・角膜知覚低下・Bell現象不良などでは術後角膜障害に注意が必要とされています。
原因によって治療は変わる
また、“まぶたが下がっている=全員が挙筋前転術”ではありません。
重症筋無力症、動眼神経麻痺、Horner症候群、腫瘤による機械的下垂など、原因によって治療が変わるため、原因診断がとても重要です。
まぶたには眼瞼下垂以外にもさまざまな病気があります。まぶたの病気については「眼瞼(まぶた)の病気」をご覧ください。



























