MGD(マイボーム腺機能不全)

2026.05.11

まぶたの縁にある「マイボーム腺」という油分を出す腺が詰まったり、働きが悪くなったりする状態のことです。

現代のドライアイ患者さんの多くが、実はこのMGDが原因(または合併)していると言われています。

1. MGDとはどんな状態か?

私たちの涙は「水分」だけでなく、その表面を覆うわずかな「油分」の層があることで蒸発を防いでいます。この油分を作っているのがマイボーム腺です。

MGDになると、以下のようなサイクルに陥ります。

  • 油の変質・詰まり: 本来はサラサラした油が、バターのように固まって出口を塞いでしまいます。
  • 涙の蒸発: 油が足りなくなると、涙の水分がすぐに蒸発してしまいます(蒸発亢進型ドライアイ)。
  • 炎症: 溜まった油が酸化したり、細菌が繁殖したりして、まぶたに炎症が起こります。

MGD(マイボーム腺機能不全)

2. 主な症状

単なる「目が乾く」以外にも、独特な不快感が出やすいのが特徴です。

  • 目がゴロゴロする(異物感)
  • まぶたの縁が赤い、腫れぼったい
  • 朝起きた時に目が開けにくい
  • 夕方になると目がかすむ
  • 涙が逆に出てしまう(涙層の不安定化による刺激)

3. 自宅でできるセルフケア

MGDの治療や予防において、ご自身でのケアは非常に効果的です。

温罨法(おんあんぽう)

固まった油を溶かすために、まぶたを温める方法です。

  • 市販のホットアイマスクや、濡らしてレンジで温めたタオルを5分程度まぶたの上に乗せます(40℃前後が目安)。
  • これにより、詰まった油が溶け出しやすくなります。

リッドハイジーン(眼瞼清拭)

温めた後、まぶたの縁を清潔に保つケアです。

  • 専用のアイシャンプーや、低刺激の洗浄剤を使って、まつ毛の根元を優しく洗います。
  • マイボーム腺の出口を塞いでいる角質や汚れを取り除きます。

4. 眼科での治療例

セルフケアで改善しない場合は、専門的な治療が必要になります。

  • 点眼薬: 炎症を抑える薬や、油層を安定させる点眼薬。
  • 圧出法: 医師が専用の器具で、詰まった油を直接押し出します。
  • IPL治療: 特殊な光を照射して、マイボーム腺の機能を回復させ、炎症を抑える最新の治療法です。

目が疲れやすい、あるいはゴロゴロするといった症状が続く場合は、単なる疲れ目と思わずに、マイボーム腺の状態をチェックしてもらうのがスムーズな改善への近道です。

MGDの治療や予防でご自身でできるケアを試しても症状が改善しない場合、IPL治療など専門的なアプローチを検討される方も多くいらっしゃいます。マイボーム腺の詰まりに対する根本治療について、詳しくはドライアイ治療に新たな選択肢 IPL治療のご案内をご覧ください。

マイボーム腺の詰まりやドライアイの原因・対処法について、眼科専門医が温罨法やIPL治療をわかりやすく解説した下記動画、【冬に多い!】ドライアイの原因と治療法!ドライアイって実は治療できるんです🥺も参考になります。