眼底検査(がんていけんさ)

2026.06.05

瞳孔を通じて目の奥(眼底)にある網膜、視神経、血管などの状態を調べる非常に重要な検査です。

チン小帯

引用:公益財団法人日本眼科学会

眼底は、「人間の体の中で唯一、血管をドクターが直接観察できる場所」でもあります。そのため、目の病気だけでなく、全身の健康状態を測るサインが隠れていることも少なくありません。

主なポイントを分かりやすく整理しました。

眼底検査でわかる主なこと

1. 目の病気の早期発見

眼底検査では、物を見る中心部(黄斑部)の異常を早期に発見することができます。加齢とともにリスクが高まる加齢黄斑変性の症状や治療については、視野の歪み・視力低下を起こす加齢黄斑変性 をあわせてご覧ください。

眼底検査は網膜剥離の早期発見にも重要な役割を果たします。飛蚊症や光視症が初期サインとなる網膜剥離については、下記動画【実は50代に多い!網膜剥離】その飛蚊症・光視症、もしかしたら網膜剥離かも!? も参考になります。

 

2. 全身の病気のサイン

  • 糖尿病網膜症 / 高血圧性網膜症: 糖尿病や高血圧によって、眼底の微細な血管が出血したり、詰まったりしていないかを確認します。進行すると失明に至ることもあるため、定期的な眼底チェックが欠かせません。
  • 動脈硬化の程度: 血管の細さや交差している部分の状態から、全身の動脈硬化の進み具合を推測できます。

眼底は体の中で唯一、血管を直接観察できる場所であるため、糖尿病の状態を目の状態から把握することができます。糖尿病と目の病気の深い関係については、下記動画「糖尿病の人は、白内障になるのが10年はやい!糖尿病内科と眼科の連携はとっても重要です!」 も参考になります。

 

検査の種類

眼底検査には、大きく分けて2つの方法があります。

① 無散瞳(むさんどう)眼底カメラ

  • 方法: 瞳孔を広げる薬(散瞳薬)を使わず、暗い部屋でそのまま眼底の写真を撮影します。
  • メリット: 検査が短時間で終わり、検査後の見え方にも影響が出ません。健康診断や人間ドックでよく行われます。
  • デメリット: 瞳孔の大きさの範囲内(中心部メイン)しか見られないため、網膜の端の方にある病変は見落とされる可能性があります。

② 散瞳(さんどう)眼底検査

  • 方法: 目薬(散瞳薬)を点眼し、20〜30分ほど待って瞳孔を大きく開いてから、医師が直接レンズを使って詳しく、あるいは専用のカメラで撮影して検査します。
  • メリット: 網膜の隅々まで細かく観察できるため、精密検査や網膜剥離、糖尿病網膜症などの詳細な診断・経過観察に必須です。

散瞳検査を受ける際の注意点

もし散瞳薬(瞳孔を広げる目薬)を使って検査を行う場合は、以下の点に注意が必要です。

  • まぶしさとピントボケ: 検査後 4〜5時間 は、光を眩しく感じたり、近くの文字にピントが合わなくなったりします(薬の効果が切れると自然に戻ります)。
  • 運転の禁止: 視界が不安定になるため、検査当日は車やバイク、自転車の運転は絶対に避けてください。(公共交通機関でのご来院をおすすめします)
  • サングラスの活用: 帰りの道中、外の光が非常に眩しく感じるため、サングラスや帽子があると楽になります。

「健康診断の眼底カメラで引っかかった」「最近、視野の一部が欠ける・かすむ」「糖尿病と言われた」といった場合は、一度眼科を受診し、必要に応じて詳しい散瞳眼底検査を受けられることをお勧めします。